今回、2・13『EXIT-62 CORE:T』以来5か月ぶりの参戦となる前・地下世界王者ジャガー・ロゴフスキーが久々の来日を果たし、地下マットに凱旋。凄まじいファイトで、満場の地下フリークたちにさらなる戦慄を与えた。
【第1試合】
“頭突き世界一”富豪2夢路 vs “新潟プロレス”重野幸浩
「新潟プロレス」の新鋭・重野が地下初参戦。しかも“地下査定試合”というべき記念すべきデビュー戦の相手が、地下の牢名主・夢路という、とてつもなく高いハードルが重野に課せられた。しかし、リング上で激闘を繰り広げる地下戦士たちが皆、次々と強いられる数々の試練を乗り越え現在に至ることを思うと、重野もこの重い課題を、自力で答えなければならないのである。
デビュー前より様々な格闘技のバックボーンを持つ初参戦の重野は、グラウンドで必死に夢路に食い下がる。重野の攻めをひとしきり受けた後に打撃技で畳みかけて、新鋭の挑戦を一蹴した夢路だったが、フィニッシュ前に伝家の宝刀・頭突きを連発で重野にお見舞いしてみせた。この頭突き連発は、重野の健闘に対する、夢路からの“歓迎”を意味するものだったのか…?
【第2試合】
“足技の魔術師”小笠原和彦 vs “鋼鉄忍者”刃駆
小笠原はこの日、近藤真彦の「ハイティーン・ブギ」をBGMに入場。この曲は、小笠原のゼロワン時代の盟友にして、現在長期療養中の星川尚浩の入場曲であった。実は小笠原が地下プロレス参戦時に常に着用しているレガースは、星川のものなのである…!
柔和な笑みをたたえてリングインした“先生”小笠原だが、ゴングが鳴った瞬間に修羅に変貌! 地下世界に定着しつつある鋼鉄忍者・刃駆に縦横無尽の蹴り技を雨あられのように浴びせ続ける。グラウンドに活路を見いだしたい刃駆であったが、抑え込まれながらも下から蹴り、突きが飛んでくるのだからたまらない。
最後は戦慄の右ハイキック一閃! もがきながら立ち上がろうとした刃駆だったがダメージは甚大、無念の10カウントを聞くこととなった。“先生”小笠原の絶好調ぶりが際立つ一戦だった。
【第3試合】
“暗黒サラブレッド”ジャガー・ロゴフスキー vs “求道妖怪”入道
“元・絶対王者”にして“現・無冠の帝王”の前・地下世界王者ジャガー。前戦の2・13『EXIT-62』では、タッグ戦ながら両軍のパートナーに一度の出番も与えず(!)の秒殺勝利で、CORE STADIUMの観客を凍りつかせてみせたが、5か月ぶりに日本のリングに現れたジャガーは、髪がフサフサと伸び、だいぶ変貌した印象。しかしながら鋼の肉体はさらに精悍さを増し、射抜く眼光の鋭さは、大空の生態系を支配する猛禽類のよう。
一片の妥協も許さず、ゴングからフルスロットルで相手を叩き潰す、帝王ジャガーのファイトはこの日も変わらず。全局面で入道を圧倒し、瞬く間に試合を片付けたジャガーは、2月の前戦と同様、勝ち名乗りを受けながらリング上で「ガルーダ!」と咆吼。ガルーダといえば、タイの地下ムエタイの帝王にして、タイ地下格闘世界は、ロゴスキー一族の支配をはね返す“治外法権”の場といわれているが…。タイの帝王・ガルーダのミステリーが明かされる日はやって来るのか?
【メインイベント 地下日本阿吽選手権】
[王者組]“革命王子”矢野啓太 & “タックル将校”竹嶋健史
vs
[挑戦者組]“頭突き世界一”富豪2夢路 & “路地裏職人”磯英弥
類稀なるレスリングテクニックを武器に、6・12『EXIT-77 CORE:X』において新・阿吽王座に輝いた矢野&竹嶋組。若き王者コンビに挑むのは、夢路と磯の大ベテランコンビ。ともに20代の王者組と、ともに40代の挑戦者組の対決は、いわば“地下世代闘争”ともいえるが…。
試合はこの四者ならではの、静かな火が燃え盛る重厚なレスリングの攻防が続く。特に昨年、同じALAISEのリング上にて「リアルライブ地下プロレス大賞・年間ベストバウト賞」を獲得した矢野と夢路のレスリングは、さらに深度を増していた。グラウンドコブラからアキレス腱固め、足4の字固めを極め合う両者の複雑な攻防は、地下フリークを魅了してみせた。
特筆すべきは若き新王者・竹嶋の成長ぶりである。得意のタックルで夢路と磯を吹き飛ばす姿は自信に満ちていて、昨年まで見られた“ルーキー臭”はもう見られないほどになっている。そして竹嶋は磯に腕ひしぎを極めて試合をフィニッシュ、王座を防衛するとともに、先輩・矢野に代わり「阿」の帯を巻く栄誉にも輝いた。
全試合結果は以下の通り。
◆地下プロレス『EXIT-EXIT-74 SERIOUS』
2011年6月26日(日)開始:16:00
会場:東京・高田馬場「ALAISE」
<第1試合>
○富豪2夢路(6分23秒 チキンウイング・アームロック)●重野幸浩
<第2試合>
○小笠原和彦(5分31秒 KO)●刃駆 ※右ハイキック
<第3試合>
○ジャガー・ロゴフスキー(6分06秒 ギロチンチョーク)●入道
<メインイベント 地下日本阿吽選手権>
[王者組]矢野啓太、○竹嶋健史(18分33秒 腕ひしぎ逆十字固め)[挑戦者組]富豪2夢路、●磯英弥
※王者組が防衛成功。
※勝負を直接決した竹嶋に「阿」の帯、パートナーの矢野に「吽」の帯が授与される。
※試合はすべて時間無制限一本勝負。KO、ギブアップのみで決着。
地下プロレスtwitter
http://twitter.com/Chika_Wrestling
地下プロレス データベース
http://www43.atwiki.jp/wuw-exit/
梶原劇画で伝承された「地下プロレス」が、この日本に存在した! 闇の闘いを伝える『EXIT』とは何か!?
http://npn.co.jp/article/detail/97320773/
前・地下世界王者ジャガーは「ガルーダ!」と叫び、試合を終わらせた… 2・13『EXIT-62 CORE:T』
http://npn.co.jp/article/detail/65291701/
“三冠王者”紅闘志也凱旋、新・阿吽王者に矢野啓太&竹嶋健史… 6・12 地下プロレス『EXIT-77 CORE:X』
http://npn.co.jp/article/detail/48536560/