現地特派員の1人がこう言う。
「ショウルダー監督が上機嫌な理由? 今季はチームの調子がいいですからね。ア・リーグ東地区でレイズと首位争いを繰り広げており、それと、和田と同時獲得したチェン・ウエインが絶好調なので」
チェンは確かにスゴイ。6試合に登板して3勝0敗(5月11日時点)、防御率2.68。防御率の数字だけなら、ダルビッシュとほとんど変わらない。ショウルダー監督が「和田離脱」でもご機嫌なのも分かるが、「焦っても…」のコメントには、復帰後の構想も隠されていた。和田をリリーバーにコンバートさせるつもりだという…。
「いや、ショウルダー監督はそのつもりだったようなんです。米国ではあまり評価が高くなかった和田を『使える!』と言ったのも同監督ですし、セットアッパーの構想を温めていたそうです」(前出・同)
同監督が和田にホレ込んだポイントは、チェンジアップの変化球だった。「(打者の)左右に関係なく空振りが取れる」と−−。
今回のトミー・ジョン手術によって、和田のセットアッパー転向は確実なものとなりそうだ。トミー・ジョン手術と言えば、松坂大輔(レッドソックス)、田澤純一(同)、07年まで遡れば、大塚晶則も受けている。但し、術後暫くは医師の指示に従い、投球数やイニング数にも厳しい制限が加えられ、早期の完全復帰はかなわない。『先発投手・和田』にとっては、来季2013年もつらいシーズンになるかもしれない。
「いや、投球制限を逆手に取るんですよ。短いイニングしか投げられないのなら、むしろ、セットアッパー転向の話もしやすくなります。和田も早くメジャーのマウンドに上がりたいだろうし、そういう打診があれば受け入れるのではないだろうか」(前出・同)
空振りが取れる投球。和田はそのチェンジアップの変化を評価されてのメジャー契約だった。チェンは『先発』としてその期待に応えたが、左ヒジの故障で出遅れた和田を戦力として“活用”するなら、まだ人員の不足しているセットアッパーにと考えるのは自然な流れかもしれない。ホークス時代、和田は210試合に登壇しているが、リリーバーとしてマウンドに上がったのは「3試合」しかない。ショウルダー監督は早くも「2013年・セットアッパー・和田」の構想を描いているようだが…。