「5月技量審査場所」は予定通り、5月8日初日で、15日間開催。審査に基づく新たな番付を編成し、7月の名古屋場所で正式な本場所再開を目指す。天皇賜杯や外部表彰、懸賞金は辞退する。戦時中の45年夏場所を非公開で実施し、結果的に観客が無料で入場した例はあるが、このような形での無料公開は史上初めて。
協会では本場所再開に当たり、八百長全容解明の調査、処分、再発防止策の3点を条件付けしている。再発防止策は新生委員会で7日にもまとまる見込みだが、携帯電話の解析など、調査は完了しておらず、夏場所の通常開催を見送った。協会内外では、有料にして収益を義援金として寄付する案も出ていたが、現時点で3点がクリアされておらず、入場料を取っての興行は時期尚早と判断された。
これを受け、大相撲を中継しているNHK広報局は「詳しい内容は承知していないので、今後、日本相撲協会から説明を受けるなどして判断したいと考えています」とコメントした。
なお、八百長関与で処分された23人のなかで、ただひとり退職届を提出せず、無罪を主張した谷川親方(元小結・海鵬=八角)は、この日の理事会にて本人の弁明を聞いた上で解雇処分となった。
(ジャーナリスト/落合一郎)