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2013年・日本人メジャーリーガーはどうなる? イチロー(ニューヨーク・ヤンキース)

 ニューヨークで蘇ったと言ってもいいだろう。本人もまだまだやれると思っているはずだが、イチロー(39)は“色々な意味”で、ベテラン扱いされるようだ。

 昨季途中、イチローは自ら申し出て、マリナーズを去った。打撃不振が続き、シアトルの地元メディアは「イチローをベンチに置き、来年以降のためにも若手を使うべきだ」と書き立てた。しかし、実質的オーナーでもある山内溥氏(任天堂元会長)の意を汲み、現場首脳陣はイチローをスタメンで使い続けた。また、マリナーズとの複数年契約の最終年でもあり、経営陣も早い時期から『残留』を示唆していた。移籍後の活躍は説明するまでもないが、マ軍との契約を引き継いだヤンキースは契約延長の交渉をすぐに始めようとはしてかった。理由は主に2つ。まずは、交渉の優先順位が低かった。最優先事項とされたのが、実質的エースだった黒田博樹の残留で、次に重要視したのが二塁手のロビンソン・カノー、中堅手のカーティス・グランダーソンの慰留だった。
 「ニューヨークのファンもイチローに残ってほしいと思っていました。ヤンキースは『イチローの地区優勝における貢献度は大きい』としつつも、戦力的バランスを考え、できれば、『右の外野手』を補強したいとし、その方向で動いていました。その結果を受け、イチローとの残留交渉に入るスケジュールになっていました」(米国人ライター)

 ヤンキースが獲得リストに挙げていたのは、ニューヨークメッツからFAになったスコット・ヘアストン外野手(32=現カブス)だった。昨季は134試合に出場し、出塁率2割9分9厘、本塁打20本と活躍している。成績は「イチローの方が上」だが、メッツでの最終年俸は、110万ドル(約8300万円/レートは当時)。イチローはマ軍時代の1800万ドル(約13億5000万円=同)から、今季は650万ドル(約5億8500万円)にダウンしたものの、働き盛りのヘアストンがお買い得な値段で獲得できる状況にあったのも、交渉を遅らせた要因ともなった。
 「対戦チームの先発投手が左だった場合、スタメンから外れる可能性もある旨も残留交渉の時点で伝えている。イチローもチームの方針に従う、と」(前出・同)

 ヤンキースはイチローに『年間安打数200本以上』という、往年の打棒復活を臨んでいるわけではない。守備力で期待されているようだ。
 昨季終盤、ジラルディ監督はイバニエス、ジョーンズ(現・楽天)といった強打の外野手よりも、イチローのスタメンを優先した試合がいくつかあり、その理由について、「守備範囲の広さ」とコメントしたことが何度もあった。マリナーズ最終年でもあった昨年、一昨年、「イチローの守備範囲が狭くなった」との米報道も見られた。しかし、ニューヨークでイチローの守備力は蘇った。優勝争いを義務づけられたチームの緊張感がプラスに働いたからだろうか。まあ、万年最下位争いのチームにいて、高い集中力を維持するのは並大抵ではなかったと思うが…。
 対戦投手のタイプ、相性によってスタメンを外される試合も実際にあるだろう。しかし、それも「休養日を与えながら、ベテランを使うメジャー式の1つ」とも言えなくもない。イチローの契約は1年。だが、守備面でジラルディ監督の期待にしっかり答えていけば、来季以降の契約延長も難しくないだろう。

※メジャーリーガーのカタカナ表記は『週刊ベースボール増刊 Major LEAGUE 12年3/20号』(ベースボールマガジン社)を参考にいたしました。

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