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勝手に選出! 2015年アニメ業界10大ニュース

 世間では東京五輪での国立競技場やロゴパクリ問題、集団的自衛権反対デモなど、様々なことが起きた2015年。もちろんアニメ業界でも色々なことがあった。という訳で、2015年のアニメ業界を振り返り、勝手に印象に残った出来事ベスト10を選び振り返ろうと思う。

10位 街興し企画アニメポスター撤去

 『のうりん』キャラクターを使用した、岐阜県美濃加茂市観光協会のポスターをめぐり、胸部を強調している点がセクハラに当たるなどの批判が相次ぎ、今年12月上旬に撤去された問題は、今後アニメとのコラボによる街興し運動に大きな影響を残すだろう。

 今年は他にも三重県志摩市で、似たような抗議で自治体が、海女のキャラクターの協会の公認を撤回したが、このポスターは、イベントで同作のファン呼びこむための「ファン向け」ポスターだったそうだ。それでもダメだったということは、なかなか衝撃的な事件ではないだろうか。

9位 例の紐ブーム

 今年の4月から6月まで放送されたアニメ、『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』に登場する、キャラクター・ヘスティアの服についている紐なのかリボンなのか、よくわからないパーツがなぜか話題となった。

 両腕の二の腕あたりから両側に結んでいるような形で、本編中では紐を胸の下に通して、バストを強調するようなカットが多く見られる。この「例の紐」、イラスト投稿サイトで巨乳キャラの胸を強調させるためや、貧乳キャラのイジリ用パーツして使用されることとなり、短期間で爆発的なブームを起こした。また、コスプレイヤーの間でも流行していた。しかし、このブームは一時的だったようで、今は落ち着きを見せている。

 個人的には、格闘ゲームシリーズのザ・キング・オブ・ファイターズ(KOF)に登場する八神庵のズボンの両足についている紐だかベルトだかわからない謎装備よりは、「バストを強調する」という意味があるので、まあ使いどころはある気がする。

8位 サンリオからの刺客『SHOW BY ROCK!!』のアニメ放送

 あのキティーちゃんでおなじみの、サンリオが深夜アニメ枠に送り込んだ刺客ともいえる作品で、今年の4月から6月まで放送した。

 実は、サンリオの企画したキャラクターのアニメというのは『おねがいマイメロディ』や、ジュエルペットシリーズなどで、おおよそキッズ向けとは思えないブラックジョークや、パロディーネタ満載の、やりたい放題の展開が特徴となっている。キッズ向けの朝アニメファンには広く知られていたことだが、今回はそのやりたい放題の展開が深夜アニメで披露されることになったのだ。

 結果的には、さすがサンリオといえる、キャラクターのキャッチーさと、ぶっ飛んだギャグを織り交ぜた展開が好評を博し、「第30回サンリオキャラクター大賞」では、一般からの投票で、キティーちゃんやぐでたま、マイメロディなどのサンリオ人気キャラを抑えて、同作登場のバンドであるシンガンクリムゾンズが2位にランクイン。また、主人公ポジションであるガールズバンド・プラズマジカも6位にランクインするなどの快挙を起こした。また、この人気を背景に同作はアニメ第2期の制作が決定している。

7位 ドラゴンボール再アニメ化

 今年7月、『ドラゴンボールGT』以来、約17年ぶりとなる、ドラゴンボールシリーズの地上波放送『ドラゴンボール超』の放送がスタートした。現在は2010年代に入ってから放映された、劇場版作品『神と神』や『復活の「F」』の再構成作品となっているが、今後は、新シリーズの放送が開始されるということなので期待だ。

 しかし、過去シリーズのセル画作画に慣れているせいか、デジタル彩色だとまだ違和感がある気もする。あと、本編中の孫悟飯の扱いはなんとかならなかったのだろうか。修行をサボって弱体化したとはいえ、一時期は作中最強キャラだったのに、いまやオチ担当になってしまった。べジータのキャラ崩壊に関しては、過去の劇場版などの影響なのだろうか、意外と楽しく見れてしまう。

6位 『ゴッドイーター』アニメ版の放送スケジュール崩壊

 バンダイナムコエンターテインメントの同名アクションゲームを原作として今年7月スタートした本作。しかし、放送の初回からクオリティ維持のためということで、スタッフコメントを交えた「特別編」を放送するという前代未聞の滑り出しとなった。

 さらにその後も特別編や総集編を計4回を挟むなどし、結局放送終了予定の9月までに、第9話までしか放送出来ず、打ち切りと錯覚するような形で地上波放送を終えた。

 ネットでは、「新作ゲームの発表にあわせてアニメの放送を3か月早めてスケジュールが崩壊したのでは」とか、同作を担当した、アニメ制作会社・ufotableが「高クオリティを追求しすぎた結果こうなってしまったのでは」など、憶測が飛んでいるが、真相は定かではない。これは、終盤に製作側の都合のより、計4回総集編が挿入され、結局の地上波では完結せずに終了した03年放送の『ウルフズ・レイン』以来の珍事だったのではないだろうか。人気ゲームの原作でありながら、別の意味で伝説を残した作品となってしまった。

 幸い、欠番となっている10〜13話のエピソードは来年3月にTOKYO MX、BS11、バンダイチャンネルなどでの放送が決まっている。OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)での完結になってしまった『ウルフズ・レイン』に比べれば恵まれているといえるかもしれない。

5位 過去の有名作品のアニメ化&新規設定を入れての名作のアニメ化

 14年末から今年3月まで放送された『寄生獣 セイの格率』、人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの三部を映像化した『ジョジョの奇妙な冒険 -スターダストクルセイダース- エジプト編』や90年〜96年まで週刊少年サンデーの誌面で連載されていた、『うしおととら』など、90年代に流行った原作で映像化されていなかった作品を、アニメ化するというのが目立ったのが今年だった。また、『夜ノヤッターマン』、『ヤングブラックジャック』、『ルパン三世』など、過去に映像化された人気作品の前日談や後日談、新規要素などを盛り込み映像化するという方法が目立ったのも今年の特徴。

 海外に目を移せば、洋画では『マッドマックス 怒りのデス・ロード』、『ターミネーター ジェネシス』、『ジュラシックワールド』、そして『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』など、過去の人気作品の続編などの公開が目立った。

 過去の人気作ということで、ある程度の収益が見込め、企画が通りやすいという事情もあるのだろうが、それにしても今年のアニメ化ラッシュには注目すべきものがあっただろう。あの人気作を産み出したのだから。その作品については後記する。

4位 声優の松来未祐さん亡くなる

 今年の10月27日に38歳という若さで亡くなった松来さん。しかも、休業を発表したのは7月14日で、まだ出演していたアニメ作品の声も、亡くなる直前まで流れており、11月2日に訃報が報じられた時の衝撃はかなりのものだった。

 アニメとしては、初のレギュラーキャラでの出演となった02年の『七人のナナ』の小野寺瞳や、06年の『ふたりはプリキュア Splash Star』のチョッピなど、特徴的な声を活かした、名脇役を演じる声優という印象が強かったので、これからこの声がアニメで聞けないというのは、寂しいものがある。

3位『ガールズ&パンツァー 劇場版』公開

 「本当に今年中に公開できるのか?」とファンの間でも心配されていた、『ガールズ&パンツァー 劇場版』が11月21日から放映をスタートした。しかも、当初の予定だった放映時間90分という尺を大幅に上回る120分という内容で。

 ネタバレを避けつつ、内容を話すが、ただのファンサービス作品には収まらないほど、派手な戦車戦が展開されるので、地上波放送時からのファンならばまず楽しめるだろう。新キャラや新登場の戦車などもあり、その辺りにも注目だ。

 アニメのヒット以外にも、同作は戦車プラモデル需要への貢献も大きい。それこそ、アニメに新しい戦車が登場する度にそのキットの売り切れなどが相次いだが、確認してみたところ、今回も作中に登場する、あの快速型の某戦車や、イギリスが開発した某戦車などが、この作品の影響かは定かではないが、ネット通販などで完売していた。

2位『おそ松さん』ブーム

 前記した過去の有名作品のアニメ化で今年一番の話題となったのが、10月から放送を開始した本作だ。赤塚不二夫原作の『おそ松くん』のキャラクターが、ニートの大人「おそ松さん」になってしまったという設定でストーリーが展開される。制作陣には、数々の暴走ネタで伝説を作った、アニメ『銀魂』を手がけたスタッフが多く参加。今回も、明らかにやり過ぎのパロディーをして、アニメ放送第1話が、DVD・ブルーレイ1巻に収録できないという伝説を早速残している。

 同作は特に女性の支持が高く、今月4日に池袋・ナンジャタウンでコラボイベントが開始された際は、深夜組を含む大行列ができたほどだった。他にも21日深夜に放送された、福山潤、小野大輔など、出演声優による第12話「年末スペシャルさん」の副音声コメンタリーでは、「現場で『おそ松さんみてます』って女の人にいわれる」「こんなことは初めてだ」などの発言もあり、かなり話題になっていることがうかがえる。地上波放送は今のところ来年の3月まで続けるとのことなので、今後どうなるか注目したいところ。

1位 『ラブライブ! The School Idol Movie』大ヒット

 作中ユニットの「μ's(ミューズ)」も「第66回NHK紅白歌合戦」出場を果たしたことだし、今年はもうこれを1位にするしかないだろう。

 映画の累計興行収入が28億円を超え、さらに、今月12日発売されたブルーレイディスクも19万枚を超える売り上げ枚数を出すなど話題となっている。この作品、アニメ放送第1期が始まる直前まで、アニメショップなどで、オフィシャルグッズが店舗の片隅の、目立たないところに置いてあったことを目撃した経験のある者としては、予想外すぎる大ヒットだ。

 他にも今年は『艦隊これくしょん〜艦これ〜』のアニメ放送や劇場版アニメ作品の好調、『オーバーロード』『ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』など、小説投稿サイト発の作品が、アニメ化され人気になるなど、色々な出来事があった。アニメファンにとっては刺激的な1年ではなかっただろうか? それでは皆さんよいお年を。(斎藤雅道)

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