熊本大会ではセミファイナルでIWGPタッグ王者組のSANADA&EVILに、鈴木軍のK・E・S(ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr.)が挑戦するタイトルマッチもラインナップされた。
4月23日の後楽園ホール大会でIWGPジュニアタッグ王者組の金丸義信&エル・デスペラード(鈴木軍)にBUSHI&高橋ヒロムが挑戦して敗れた。熊本大会ではBUSHI対デスペ、ヒロム対金丸がシングル対決している。今シリーズはロスインゴ対鈴木軍による前哨戦が連日行われているが、24日の後楽園大会終了時点で今シリーズの両軍の勝敗は5勝5敗のイーブンだ。
しかし、両軍のリーダーは前哨戦の勝敗よりもインパクトや相手へのダメージを重視するタイプだ。しいて言えばIWGPジュニアタッグ戦を制した分、鈴木軍が優位に立っているのかもしれないが、自軍が敗れた24日の後楽園大会の試合後も内藤の余裕は消えることはなかった。内藤は不気味な予告をしている。
「もしかしたら、鈴木軍で何か動きがあるかもしれないよ。だって、王様の部下であるザック・セイバーJrに、俺は『ニュージャパンカップ』1回戦で完封負けしたわけだからね。その俺に、王様が負けたとなったら、これは一大事だよ。鈴木軍、何か起こってしまうんじゃないの?それが見たいね。そのためにも、インターコンチネンタル王座。アナタが言う『宝物』を、熊本で奪ってあげますよ」
内藤はみのるに勝利を収めて鈴木軍のパワーバランスを崩し、軍団を崩壊に追い込むつもりなのだろうか?確かに、ザックに敗れた内藤に、ボス・みのるが負けるとなるとバツが悪い。そんなみのるに失望し、自信を付けたザックが造反するようなことがあれば、内藤が言うように鈴木軍にとっては一大事である。こういう心理戦を仕掛けられるようになったのが内藤。みのるが内藤を“おいしい獲物”とする証なのかもしれない。
内藤哲也対鈴木みのるは、現在の新日本プロレスが提供できる最も刺激の強いカード。どちらが勝つにせよ、今後の新日本マットに何らかの影響を与えるのは必至だ。
取材・文 / どら増田
写真 / 萩原孝弘