同大会の目玉だったミステリオの代役としてIWGPジュニアヘビー級王者ウィル・オスプレイがライガーと対戦する。関係者の話によると「ミステリオが当日来場するかどうかは未定」とのこと。ミステリオは親日家として知られているだけに、ケガが完治したら新日本のマットでライガーと対戦してもらいたい。
メインイベントではタッグ世界一の座を懸けて、飯伏幸太&ケニー・オメガのゴールデンラヴァーズが、ヤングバックスと対戦する。日本で実現すれば両国国技館クラスの会場を札止めにするのが確実な黄金カードだが、世界的な“引き”があるこのカードをアメリカ大会のメインに持って来るところがニクい。セミファイナルでは昨年アメリカ大会のために創設したIWGP USヘビー級選手権試合を行う。チャンピオンのジェイ・ホワイトにハングマン・ペイジが挑戦するタイトルマッチをラインナップした。
IWGPヘビー級王者のオカダ・カズチカは石井智宏とのタッグで、4.1両国大会でタイトルマッチが決定したザック・セイバーJr.と、同じくオカダの首を狙うIWGPインターコンチネンタル王者、鈴木みのるとタッグ対決。棚橋弘至はKUSHIDA、ドラゴン・リー、田口隆祐からなる“タグチジャパン”をアメリカで結成。内藤哲也、SANADA、BUSHI、高橋ヒロムの“ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン”との8人タッグに臨む。
前半戦の注目としては、タマ・トンガ&タンガ・ロアのゲリラ・オブ・デスティニーが、Cody&マーティー・スカルとバレットクラブ対決を行うこと。バッドラック・ファレも含めたバレットクラブのオリジナルメンバーと言ってもいいサモア勢は、ケニーとCodyによるバレットクラブの“内紛”に「我関せず」の姿勢を貫いていた。しかし『ニュージャパンカップ』でタンガ・ロアは、高橋裕二郎、チェーズ・オーエンズ、飯伏幸太とタッグを組み、試合をしっかり成立させている。サモア勢はケニー派なのか?この試合はメインとは違う意味でバレットクラブの今後を占う戦いになるだろう。
その他、オープニングマッチではロッポンギ3Kが3人揃い踏みで、クリストファー・ダニエルズ率いるROHトリオと対戦。NEVER無差別級王者の後藤洋央紀は、外道とのタッグでジュース・ロビンソン&デビッド・フィンレーと戦う。矢野通はチャッキーTとのタッグで、K.E.Sと激突。世界中の誰が見ても、分かりやすく楽しめるカードが組まれた。
ほぼフルメンバーかつ、昨年より良いカードをラインナップしたのは、LA道場や現地法人の設立まで視野に入れている新日本プロレス世界戦略の本気度の表れ。もちろん2週間後にニューオリンズで開催されるWWEの『レッスルマニア』も意識しているはずだ。同大会は新日本プロレスワールドで全世界に生配信される。
取材・文・写真 / どら増田