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オリックス担当記者が分析、スタートダッシュ失敗

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吉田正尚

 福岡でのソフトバンクとの開幕3連戦で1勝2敗と負け越したオリックスだが、その後も苦戦が続いている。

▼4月3日〜8日 オリックス試合結果(選手名は先発投手)
【対 千葉ロッテ(京セラD)】
4月3日 ●金子千尋 1-4 石川歩○
4月4日 ○アルバース 7-1 二木康太●
4月5日 ●ディクソン 5-9 涌井秀章○
【対 埼玉西武(メットライフD)】
4月6日 ●西勇輝 1-5 菊池雄星○
4月7日 ●田嶋大樹 3-6 多和田真三郎○
4月8日 ●山岡泰輔 4-7 武隈祥太○

 3日と8日は逆転負けだったが、開幕から9試合で2勝7敗。3カード連続の負け越しで早くも借金5となった。8日時点で楽天と同率のパ・リーグ最下位。スタートダッシュ失敗である。

 7日の試合後、福良淳一監督は「このままだとズルズル行ってしまう」と打線のテコ入れを示唆。8日は小谷野と中島を入れ替えて、ファームから昇格させた福田をスタメン起用。不調のロメロからパ・リーグ本塁打単独トップのマレーロに4番を交代させた。それでも相変わらずチーム打率は.209、チーム防御率5.45といずれもリーグ最低。オープン戦では機動力の良さを見せていたが、盗塁数も4と日本ハムと並んでリーグ最低にとどまっている。福良監督が求める野球ができていないのが現状だ。

 先発陣の調子は悪くない。ただ敗れた試合は、1回、1打席、1球に泣く場面が目立つ。また継投もまずい。追い上げムードだった5日の試合では、2点ビハインドの9回に黒木、近藤ではなく、小林がマウンドに上がると鈴木大地に2ランを浴びて試合を決定付けてしまった。7回に登板した金田も5連打を浴びて3失点を喫しており、両選手とも翌日に登録抹消されてしまったが、この日の継投には疑問が残った。審判の誤審騒動などハプニングもあった試合だっただけに、最後まで何が起こるかわからないムードだけはできていた。

 昨年は先発投手になかなか勝敗が付かないことが問題視されていたが、今年は全試合で先発投手に勝敗が付いている。次カードはローテが5枚で足りることもあり、田嶋が抹消されたが、引き続き1軍には帯同させる。福良監督は「10日間まったく放らないのもマズいから、下かどこかで少しだけ投げさせるかも」と話していたが、開幕ローテを勝ち取った6人に対する指揮官の信頼は揺らいでいない。勝ち星が付いていない投手陣には今後の登板で修正してもらいたい。

 貧打にあえぐ打撃陣だが、売り出し中の宗は要所で塁には出ている。また大城も粘りを見せており、本人も「3年目でプロの球に慣れてきた」と話している。そして、何より吉田正尚がここまで全試合に出場しているのが救いである。吉田正は打率.273、2本塁打、8打点。得点圏打率は.364と安定している。オリックス反撃のポイントはやはり吉田正にかかっているのだろう。

 マレーロは一発があるし、ロメロも8日の試合で今季初の猛打賞を記録するなど、復調の兆しが見えてきた。ベテランの小谷野と中島も好調をキープ。T-岡田が下降線なのが気掛かりではあるが、役者は揃っているだけに、明日からの本拠地5試合で本来の力を取り戻すことができるのか注目される。

 「選手たちはいくら負けていても、最後までベンチで声を出して諦めない。みんな変わろうとしている。キャンプからやってきたことがしっかりできていると思う」

 若いチームの支柱的な存在である小谷野は、若い選手たちの変化を感じていた。この変化が結果として出れば選手たちの自信につながり、怒涛の快進撃が始まるはず。今年はスタートダッシュに失敗したが、開幕3連戦を全敗した昨年の3、4月は15勝8敗と大きく勝ち越している。結果で昨年より進化したチームの力をファンに見せる必要がある。

取材・文 / どら増田
写真 / 舩橋諄

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