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高橋一軍帯同が決定! 中日・高木新監督が抱えるお家事情

 超高校生内野手・高橋周平(17=東海大甲府)の一軍でのキャンプ・スタートを、高木守道・次期中日監督(70)が明言した。まだ仮契約も済ませていないが、地元名古屋のテレビ番組で、高木次期監督はドラフト1位・高橋、2位・西川健太郎(18=星稜)と共演。番組内で出たものだが、その発言には指揮官とフロントのすれ違いが隠されていた。
 10月27日、ドラフト会場を出た高木次期監督は報道陣に囲まれ、改めて高橋獲得について答えている。その際、意味シンな言葉も発している。
 「即戦力投手が欲しいという気持ちもあったけど、スカウトから強い推薦もあったから」
 即戦力投手が欲しかった−−。高木次期監督が折れ、高橋の1位入札が決定したのは想像に難くない。

 「2位で西川クンを指名したのも驚きでした。高橋クンもそうだけど、今年のドラフトは将来を見据えた指名になりました。6人中4人が高校生ですし」(プロ野球解説者の1人)
 4位に首都大学リーグの好右腕・辻孟彦(22=日体大)が残っていたのは“ラッキー”だったが、上位3人の指名を見ると、近年の中日が抱えていた『難題』も再認識できる。
 上位2名で将来性豊かな高校生を獲得し、3位で地元・愛知大学リーグの雄、田島慎二(東海学園大)を獲得した。田島は球質が重く、「リリーフの適性がある」とのこと。だが、中央では無名だったため、3位でなくても指名できたのではないだろうか。地元関係者がこう言う。
 「地元出身の堂上直倫を思い出してくださいよ。堂上が一軍で活躍するまで4年を費やしました。高卒内野手が4年で一線に出てきたわけだから、順調に育ったとも言えますが、昨季、堂上がスタメンに定着するよりも先に、社会人や大学を経由してきた岩崎(達郎=26)、藤井(淳志=30)、大島(洋平=26)、野本(圭=27)が先に一軍で結果を出したと言ってもいい…。社会人、大学卒は即戦力として指名する傾向がありますが、彼らが自前育成の堂上よりも先に一軍で結果を出すということは、『中日の育成システムに問題があるのではないか』と懸念されていたんです」

 高木新体制が発表された際、生え抜きを大切にするチーム再建案も語られた。生え抜きを大事にするということは、「選手を育成していく」意味合いも含まれている。
 だが、落合博満監督(57)の退任により、コーチスタッフの大半も退団が決定。ブランコ、ネルソン、ソトといった有力外国人選手たちが「森繁和ヘッドコーチに追随する」旨も明かしており、慰留に失敗すれば、高木新監督は戦力が目減りした状態で来シーズンを迎えなければならない。中日のスカウト、編成もその辺は分かっていたが、今回はチーム再建を優先してのドラフト指名となった。
 前述の番組内での一幕。質問コーナーで「5年後に森野(将彦=33)を越えられれば…」と高橋が目標として答えると、そこに高木新監督が割って入り、「5年後じゃ困る。来年じゃないと…。5年後じゃ、私が(監督として)いないかもしれない」と訴えた。表情は穏やかだったが、本心から出た言葉ではないだろうか。

 「42歳の立浪(和義)氏がいきなり監督になったら、40代後半、50代の中日OBが監督に就任する可能性はほぼゼロになります。彼らは落合長期政権で出番もなく、70歳の高木氏を起用することでまだ可能性があることを伝え、その不満を抑えたわけです」(前出・関係者)
 「来年!」と言った以上、高木新監督は本当に高橋を使ってくるかもしれない。高橋が開幕一軍を勝ち取れば、1988年の立浪氏以来の快挙となる。何かと気苦労は多そうだが…。

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