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インディアンズ残留も! 『福留の奪還失敗』で高木新中日は4番不在?

 高木守道・新監督(70)の構想は大きな転換を求められるだろう。高木氏が「イチロー、福留、川上を獲る」とコメントしたのは、9月23日。イチローの名前が出たことで“リップサービス”の様相もあったが、「福留(孝介=34)、川上(憲伸=36)の帰還は規制路線」と見られていた。

 「福留は4年契約(カブス−インディアンズ)が満了し、川上について肩痛や体調不良も囁かれているものの、何よりも、OBを大事にするという球団の新方針があります。2人を呼び戻す方向性に異論は出ていません」(チーム関係者)
 昨年オフの時点でも、福留は日本帰還について前向きとも取れる言動も見せていた。しかも、落合博満監督がいなくなる。両者の間に衝突はないものの、「退団したときと同じ指揮官の下では抵抗がある」とこぼしていたそうだ。また、母校・PL学園の大先輩で兄貴分だった立浪和義氏のコーチ入閣も実しやかに囁かれている。古巣帰還における障害は全くない。ところが、である。福留は米球界に残留するというのだ。

 「このまま帰還したら、メジャーで通用しなかったと思われる。それだけはイヤだ、と…」(現地関係者の1人)
 福留は07年オフに『4年4800万ドル』の大型契約をカブスと交わし、その契約は今季途中に移籍したインディアンズに引き継がれた。今のところ、インディアンズは福留側と交渉を始めていないが、今オフは米FA市場に大物選手が少ない。そのため、インディアンズは「代わりの選手を獲るのは難しい」と判断し、「福留に興味を示すメジャー球団もいくつか出てきた。
 「もともと、インディアンズが福留をトレードで獲得したのは、レギュラー外野手が故障したためでした」(前出・米メディア陣の1人)
 福留の今季の打率は2割6分2厘、本塁打8、打点35。数値的には「並み」だが、移籍後はスタメンに名を連ね、守備面でもチームに貢献してきた。
 「今季のインディアンズは機動力が弱点でした。走れる選手は秋信守(右翼)、中堅のサイズモアだけと言っても過言ではなかったのに、この2人が揃って故障者リスト入りしてしまいました。福留の勝負強い打撃力はもちろん、守備範囲の広さも首脳陣は評価していました」(前出・同)

 福留を認めている1人のマニー・アクタ監督の残留も正式に発表された。
 話は8月下旬に逆上るが、米国人メディアはクリス・アントネッティGMに「秋、サイズモアが復帰したら、福留はどこを守るのか?」と質問している。その際、同GMは「左翼コンバート」を示唆したという。つまり、再契約の方向性も同時に示したのである。「左翼・福留、中堅・サイズモア、右翼・秋」の外野布陣構想−−。右翼手の福留はカブスで中堅に入ったことはあるが、左翼の経験はない。福留は出場機会に飢えていただけに、守備位置にはこだわらないはずだ。
 その渦中の福留は8日に帰国した。待ち構えていた報道陣に「米国優先か?」と質問され、「いや全然。メジャーから何もないかもしれないし、日本から何もないかもしれない」と笑っていたそうだ。
 中日OBのプロ野球解説者がこう言う。
 「メジャーに挑戦する際(07年オフ)、タイトルを獲ってくるくらいの意気込みを語っていましたよ」
 それ以上は教えてくれなかったが、「メジャーで納得する成績を残してから、古巣に帰還する」と考えているようだ。もっとも、水面下では中日以外の日本球団も接触をはかっているとの情報もないわけではないが…。

 現中日4番のトニ・ブランコは09年オフに2年契約を交わした。『落合シンパ』であり、一部報道にもあるように落合監督が他球団の指揮官に横滑りするのなら、「一緒に行く」なんてことにもなりかねない。福留の帰還が先のばしにされ、ブランコも流出するようなことになったら…。高木新監督は打線強化の難題を抱えてのスタートとなる。

※メジャー関連のカタカナ表記は『メジャーリーグ選手名鑑2011年』(廣済堂出版)を参考とし、福留選手の成田空港でのコメントは共同通信社配信記事より抜粋いたしました。

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