search
とじる
トップ > スポーツ > 1カ月前にコーチ陣に『退任』を伝えていた! 落合監督の人情味

1カ月前にコーチ陣に『退任』を伝えていた! 落合監督の人情味

 中日が落合博満監督(57)との「契約任期を延長しない」と発表したのは、9月22日。だが、関係者によれば、落合監督は「8月中から身辺整理を始めていた」と言う。

 3月下旬に就任した坂井球団社長、佐藤球団代表は『アンチ落合』の急先鋒と目されている。また7月22日、前半戦終了の『オーナー報告』でも“続投”の言葉は聞かれなかった…。過去2回の契約更新の際は「この席上でオーナーから伝えられた」とも言うだけに、落合監督は“異変”を感じていた。
 「日付は分かりませんが、8月中旬、落合監督はコーチスタッフを集めました。コーチ陣のほとんどが落合監督の招聘した『外様』ですし、(退団を)覚悟しておいてくれとも伝えたそうです」(関係者)

 落合監督の言葉を聞いた後、フロント職員を捕まえて「本当か?」と確認するコーチは1人もいなかった。球団が発表するまで退任の情報が漏れなかったのはそのためだろう。
 「高木体制になれば、現コーチ陣の残留は難しいと思います。もし残留があるとすれば、生え抜きの近藤真市・投手コーチくらいかな。OBの立浪和義氏を招聘し、高木氏が指導者として教育していくんだと思います。あと、井上一樹二軍監督も英才教育が施されるはずです」
 そう予想するプロ野球解説者は少なくなかった。
 高木守道氏(70)は各方面から『新生ドラゴンズ像』の質問をされていたが、そのコメントを聞いていると、どうも、『落合カラーの払拭』も託されたようである。たとえば、故障で今シーズンを棒に振った山本昌(46)の処遇がそうだった。「もう一花も二花も咲かせてほしい」と高木氏は答えている。このコメントには“裏”がある。
 「阪神を解雇された下柳(剛=43)ですよ。下柳の蘇生に太鼓判を押していたのが、落合監督の腹心・森(繁和=57)ヘッドコーチでした。両者は日本ハム時代の師弟関係にあり、下柳獲得に動くと目されていました。山本昌の現役続行は、『下柳は獲らない』というメッセージですよ」(前出・関係者)

 下柳の推定年俸は9000万円。『戦力外通告』からの出直しになるので、金銭面での懸念はない。しかし、中日は高木新体制での「福留孝介、川上憲伸の帰還」も狙っているとされ、ドラフト1位の2人を帰還させるとなれば、それ相応の軍資金が必要となる。下柳獲得の余剰金はなく、『落合−森ライン』の息のかかった選手をあえて獲得するつもりはない。
 「福留は落合監督とは不仲だったわけではありません。でも、FA権を行使したときと同じの指揮官では帰還しにくいとこぼしています。PL学園の大先輩で兄貴分だった立浪氏が監督なら、『中日に帰る』と話しています。たとえコーチ入閣でも、福留の帰還は現実味が増す」(プロ野球解説者)
 坂井球団社長は3月の株主総会で選出された。白井文吾オーナーには『赤字体質の改善』を勅命されたが、同社長が着眼したのは落合監督の推定年俸3億円(一部では3億7000万円)。白井オーナーは落合監督を高く評価していたが、他球団の監督と比較しても突出している現状を突き付けられ、反論できなかったそうだ。当然、こうした“不穏な様相”は落合監督も感じ取っていた。
 落合政権下での過去7年、球団の黒字収支は1度もない。しかし、優勝3回、日本一が1回。Aクラスからこぼれたシーズンも、1度もなかった。

 生え抜きを大事にする姿勢はともかく、ポスト谷繁、アライバの故障による内野陣の再編、外国人選手に依存しきった4番、米挑戦が確実なチェンの後継など、高木新監督が着手しなければならない課題は難しいものばかりだ。
 9月10日、球場入りした高木氏と落合監督は試合前に談笑していた。このとき、両者はお互いの今後を知っていた…。日本ハム・梨田監督の退団にも驚かされたが、監督業は「勝つだけでは務まらない職種」に変わりつつある。

関連記事


スポーツ→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

スポーツ→

もっと見る→

注目タグ