初めて実行したのは就任1年目、2006年4月22日の中日戦。センターを二塁ベース上に動かし内野手5人シフトをとった。打者・井端をサードゴロに打ち取り、作戦は成功したが、その後キャッチャーのパスボールなどがあり、結局試合には敗れた。
2度目は同じ2006年7月14日の横浜戦。やはりセンターを内野まで動かしたが投手の暴投でサヨナラ負け(余談だが記者はこの試合を見ていた。ふと気がつくと、いつの間にか内野手が5人になっていて“あれれ、何だ?”とびっくり。うまくいくのかな? と思った瞬間、サヨナラ暴投であっけなく幕切れ。横浜ファンも、なんだかよくわからないけど勝った! と一瞬とまどってから喜んだように見えた)。
それでもこの横浜戦以外は、5人の誰かに打球は飛ばなくてもシフトを敷いた打者をアウトにしているから、作戦自体の効果はあったと言えるだろう。
そして楽天監督就任1年目の今年、ブラウン監督はさっそくオープン戦で内野手5人シフトを試した。3月10日、相手は古巣広島だ。5-5の九回無死満塁。ブラウン監督はこの勝負どころで内野手5人シフトを敷いた。しかし、打者・喜田の打球はがら空きの右前へ。球は転々とフェンスまで転がり、ランナー全員ホームインの三塁打という悲惨な結果に。
喜田はファーストで2度、内野手5人シフトの経験があり「まさか自分がやられるとは思わなかった」と試合後複雑な表情で語ったらしいが、まさに本心だったろう
(試合は降雨のため8回終了時点のコールドゲームとなり、5-4で楽天の勝利)。
広島時代は就任1年目に2度、公式戦でこの作戦に出たブラウン監督。この試合でテストは済んだ。今年、公式戦でもチャレンジするか?
(ハマの半ズボン少年記者〜横浜六太 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou