また、高校生と社会人・大学生の指名を分けた分離ドラフト時代はともかく、08年以降の巨人は高校生も上位指名してきた。
05年の辻内崇伸がモタモタしているのは残念だが、首脳陣が「エースになり得る。来季には一軍で」と期待を寄せているのが、昨年2位指名の宮國椋丞(19=糸満高)だ。確かに、イースタン各球団の首脳陣も宮國を褒めていた。色々な意見はあるだろうが、今の巨人は自分たちの育成システムに自信を持っている。「2位以下で素質の高い高校生を獲得し、自分たちの手で育て上げてみせる」と思っているのだ。
巨人が狙う第2、第3の宮國は誰か? 吉永健太朗投手(日大三)は「早稲田大学の進学説明会に出席した」との情報もあるので、『プロ志願届』は提出しないだろう。仮に「澤村、菅野、小野、小山、宮國」がローテーション投手に成長したとする。この顔ぶれを見ると、左投手を狙ってくると思われる。
こんな話も聞かれた。澤村拓一(23)の一本釣りでも証明されたが、中央大学との親密関係も無視できない。やや守備に難があるが、「井上晴哉内野手を指名してくる」という。「再来年の1位候補は東浜巨(亜大=3年)」とかなり気の早い情報も交錯しているが、今のところ、大本命・菅野を逸した後の『外れ1位』が全く見えて来ない。09年の長野久義の指名以降、強引なやり方も目立つだけに、ひと波瀾起こるのではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)