張本氏は野球選手にダメ出しをすることが多く、その点について「時代錯誤だ」などと批判される。その一方で、「批判を恐れずに自分の意見を言う」解説者が減っているだけに、張本氏のような人物も必要だとの声もある。
当たり障りのない発言よりも、「ビシっ」とおかしいことに物申すことができる解説者は貴重と言える。今回は、そんな「批判を恐れない炎上系解説者」を紹介しよう。
①達川光男(広島東洋カープ)
軽妙なトークで、松村邦洋がモノマネをすることでも知られる達川光男氏だ。漫談のような語り口は、地元・広島を中心に人気もあるが、一方で批判を受けることもしばしばある。
特に、CS「フジテレビONE」のヤクルト主催ゲームでの解説は、スワローズに苦言を呈することが多く、2016年の放送では、一部選手の怠慢プレーを指摘し続け、スタッフから制止を受けたことがある。
達川氏はそれについて、放送中に「事実を言っているだけ」「私は必死に解説している。2度と呼ばれなくてもいい覚悟でヤクルトに対して言っている。これが認められないなら正々堂々と解説を辞めさせてもらう」と激怒し、物議を醸した。
昨シーズン末にソフトバンクのヘッドコーチを辞任した達川氏は、今年から解説者に復帰。「フジテレビONE」のヤクルト主催ゲームにも再登場しているが、悪いものは悪いというスタイルは変わっておらず、一部視聴者からクレームが入れられ続けている。
②江本孟紀氏(東映フライヤーズ〜南海ホークス〜阪神タイガース)
現役時代から「扱いにくい選手」として知られ、あの野村克也氏をして「三大悪人(江夏豊氏・門田博光氏・江本孟紀氏)と称した江本孟紀氏だ。
その野球理論は張本氏同様、昭和的なものが多く、「投手は走り込みをして体を鍛えろ」「球数制限は軟弱な発想」「先発完投が理想」という解説を随所に見せ、「時代錯誤だ」と批判を受けている。
しかし、その理論は終始一貫しており、批判を恐れず自分の意見を曲げない姿勢を評価する声も多い。
③岩本勉(日本ハムファイターズ)
一部に強烈なアンチを持っているのが、元日本ハムの岩本勉氏。北海道では高い人気を誇り、「ガンちゃん」のあだ名で親しまれているが、日本ハム寄りの解説である上、気の抜けたプレーなどを指摘することも多く、クレームが入ることも多い。
岩本氏はそんな声に対し、Twitterで「俺に文句あるやつ、ちゃんと最後まで話を聞きなさい」と反論したこともある。
いずれの解説者も張本氏同様、「悪いことは悪いと言う」「怠慢プレーに叱咤激励する」解説者たち。批判もあるが、それを恐れて当たり障りのないことに終始するようでは、球界のためにならないのもまた事実。また、本来解説者とは「視聴者が気分良く野球を見られるための発言に終始する存在」ではないはずだ。
名前の挙がった解説者には、これからも批判を恐れず自由な評論を続けてもらいたい。