300年遡った1677年のウェムで、町の半分を焼き尽くす大火が起きた。妹の為、暖炉に火をくべようとしていた14歳の少女ジェーンが火元とされた。準備の為に灯した蝋燭の火が燃え移り町中へと広がる中、ジェーンは公会堂に逃げ込み焼死した。ところが、大火の原因はジェーンではなかったようだ。にもかかわらず、子供たちに火遊びをしないよう説くためのエピソードに仕立てられてしまった。写真の少女は大人たちの方便の犠牲になったジェーンではないかというのだ。
だが、写真に新たな展開が起きる。写真の少女そっくりの少女が写るポストカードが発見されたのだ。縮尺を合わせると、体の部位の位置や傾きが一致した。現在、件の写真は合成とする声が優勢である。
これでジェーンもようやく安らかに眠ることができるかに思えた矢先、再び愚かな大人が現れた。ある議員が写真を町の名誉遺産にすると発案したのだ。ほかの議員も概ね賛成した。
発案理由のように、この写真が有名になりその場所を見るために多くの人々が来訪したのは事実である。だが、ジェーンを静かに眠らせてあげたいと思う人は少数なのだろうか。
七海かりん(山口敏太郎事務所)
参考記事:Wem ghost predicts end of humanity
Monday 28th February 2011, 11:29AM GMT.
http://www.shropshirestar.com/news/2011/02/28/wem-ghost-predicts-end-of-humanity/#ixzz1Z23TjfbU