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封印された最恐のホラー映画「シエラデゴブレの幽霊」とは

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画像はイメージです。

 「エクソシスト」や「リング」など、洋画・邦画を問わず身の毛もよだつホラー映画作品は多い。

 そんなホラー映画の中で、パイロットムービーが作製されたものの、あまりに恐ろしすぎる内容のため公開されることのなかった、最恐の作品といわれるものが「シェラ・デ・コブレの幽霊」だ。

 アメリカでは試写会が行われたが、あまりの恐怖に気分が悪くなった人や嘔吐する人まで出たため、本公開やTV放映も難しいと判断され、封印されることになったという。しかし、カナダやイギリス、オーストラリアなど複数の国ではTV放映されたことがあった。それはこの日本でも例外ではなかったのである。

 日本での公開は1967年8月の日曜洋画劇場、当時の新聞では「シエラデゴブレの幽霊」と紹介されていた。本記事のタイトルもこちらに準じたものにさせて頂いている。49分という短さの白黒映像であったが、その恐怖は日本でも十分に伝わったようで、「リング」シリーズの脚本家高橋洋氏もこの映画でトラウマ的恐怖を味わったと述べている。

 この映画の監督はジョセフ・ステファノ氏。ヒッチコック原作の「サイコ」やTVの「アウターリミッツ」シリーズ等を手がけた脚本家でもあった。この作品は彼の最初で最後の作品であり、国内での映画公開が不可能となった後も制作資金回収の目的で諸外国へフィルムが貸し出されていたのである。しかし、当時は録画機能も存在しなかった上に、作品のテープが火事で焼失。唯一のテープ所持者であると思われたステファノ氏も2006年に死亡したため、二度と見ることの出来ない封印作品と考えられていた。しかし、2本のフィルムが現存している事が判明。しかもその1本は日本の映画評論家が所持しており、極希にイベントなどで公開されることがある。

 なお、観た人によれば作品が本当に「最恐」かは意見が分かれるだろうとのこと。しかし、この作品は短いながらも60年代当時の持てる技術を駆使して効果的に幽霊の恐ろしさを表現した作品であるそうなので、ホラー映画が好きな人はイベントでの数少ない公開に巡り会うことが出来たならば、観てみるのも良いのではないだろうか。

文:和田大輔 取材:山口敏太郎事務所

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