そんな中で、比較CMが見直されている。比較CMとは、競合他社の製品と比較するCMであり、1980年代にペプシ・コーラが「コカ・コーラとペプシ・コーラ」のブランドテストと称し、一般消費者に目隠しでティスティングさせたのが有名である。結果、半数以上の人がペプシを選び、その様子をCMで放送し、世界的に大きな話題となった。
他社の悪口を言っているようにも聞こえる「比較CM」は日本ではあまり普及しなかったが、ここ10年の間に理解が進んだ。最近、元気が良いのは西友の比較CMである。つい先日までは、西友の家電コーナーに、コジマさん、ヤマダさん、ビックさん、タカタさんが集まるというパロディCMを流していた。勿論、これらは、西友の家電販売のライバルであるコジマ、ヤマダ電機、ビックカメラ、ジャパネットたかたを意味している。
また最近では、西友の家具販売のライバルである「ニトリ、IKEA」を揶揄する「SEIYUにとり合えず行けや(西友ニトリあえずIKEA)」というCMソングを流し、視聴者の記憶に爪痕を残している。だが、ニトリ、IKEAの名前の方が記憶に残ってしまい、西友のCMであるという肝心な事を忘れてしまっているのは、筆者だけであろうか。
和田大輔(山口敏太郎事務所)