「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」は、日本全国の国民が参加してメダル製作を行う国民参画形式のプロジェクト。東京都は、東京2020オリンピック・パラリンピック合わせて金・銀・銅あわせて約5,000個のメダルを製作する予定となっており、このメダル製作を目的に、携帯電話やパソコンをはじめ、小型家電の回収を行って、集まったものから抽出される金属でメダルの製作を行おうというもの。
携帯電話一台から取れる金の量などを説明し、リサイクルによるメダル作成の意義を訴えた小池知事は、シンガポールを訪問時にリー・シェンロン首相からプレゼントされた携帯電話をかざして、本プロジェクトをご機嫌にアピール。「東京オリンピックのために金銀銅のメダルを5,000個作らなければならないんです。できるだけ、日本のアスリートに獲ってもらいたいけど、携帯電話でいえば2,000万個必要。まだまだ皆さんの協力をいただきたい。北島さんは歴代オリンピックで7個メダルを獲得したそうですが、ぜひご自身の責任で7個のメダル分を集めていただけると嬉しいです」と笑顔。
北島氏も「こんな素晴らしいプロジェクトはないんじゃないかと思っています。引退してメダルをいろんな人に見せる機会がある中で、メダルを見せるだけで、皆さんに本当に喜んでもらえる。そこではじめて、僕たちもメダルの価値を実感することができます。自分の参加をきっかけに、みなさんにこのプロジェクトのことを知ってもらいたいです」と述べると、「今回、僕も使わなくなったパソコンを提供しようと思っています」とプロジェクト協力に意欲を見せた。
イベント終了後は、北島氏のオリンピックで獲得した計7個のメダルと、リサイクル金属100%で製作された再生金メダルも展示された。小池知事は、北島氏が北京で獲得した金メダルを手に「ずっしり重い」と感激の表情。展示は26日まで行われる。小池知事は「もっともっと、オリンピックの機運を盛り上げていきたい」と述べ、「リサイクルの集まりによっては、少しメダルが軽くなってしまうかも」とニヤニヤ。北島氏もこれに「自分だけでは限界もあるので、もっと他の選手にも協力を呼びかけたい」と応えていた。
(取材・文:名鹿祥史)