search
とじる
トップ > トレンド > 高橋四丁目の居酒屋万歩計「岩金酒場」(いわきんさかば、居酒屋)

高橋四丁目の居酒屋万歩計「岩金酒場」(いわきんさかば、居酒屋)

 京成押上線・京成曳船駅から徒歩650歩

 記憶に残る客になりたいなら雨の日に限る。雨が降ろうと槍が降ろうとへこたれない常連もありがたいが、よりによってという天候に来たふりの客へ、店は感謝とともに興味を示す。本日、カウンターの中には3人の女性。注意深く当方を品定めしていらっしゃる。
 おしぼりを使いながら、初めて来た客であることを会話のどこかに挟んで、向こうの記憶の引き出しをむだに開けさせないようココロを配る。老舗居酒屋ゆえ名物料理もたくさんあるだろうに、冷たい雨の夜のこと。寒くはなかったですかと薦(すす)められたのは、おでん。ひと通りいただいたところで、別鍋で煮た牛すじはどうでしょうと。逸品でした。中味と炭酸1本がぴたりとコップに収まる、自家製ハイボールとの相性はいうまでもありません。よき事、見ました。

 開店前から降り始めていた雨は、常連のおじいちゃんの膝がしらもとっぷり濡らしてます。がらりと戸が開くたびに飛沫が降り込む定席にしがみついて、奥の席への移動を拒むおじいちゃん。対するは、風邪を引かせまいと、あの手この手で暖かい席へ誘導するおねえさん。酔っている。老いている。頑(かたく)なである。それでも負けないおねえさん。
 30分も続いたでしょうか。押し問答のみならず、ときには作戦行動に一丁噛(か)んで、こっちの方がすっかり温まってしまい、記憶に残る客をめざして店を記憶に残してしまった客なのでした。

予算2200円
東京都墨田区東向島6-13-10

関連記事


トレンド→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

トレンド→

もっと見る→

注目タグ