とうとう黒いカリスマが吠えた。
7・21札幌大会において初防衛を果たした現IWGPヘビー級王者で全日本プロレスの武藤から「次は全日本プロレスで防衛戦をやりたい」と要求されていた新日本プロレス。史上2度目となる他団体でのIWGP開催危機にさらされていたが、ようやくこの日に最終結論を出した。
会見では新日プロの菅林直樹社長が「IWGP実行委員会で検討した結果、8月31日に全日本プロレス両国国技館大会でIWGP戦を許可することを本日、全日本側にお伝えしました」と明らかにし「例年ならG1覇者が挑戦者となりますが、今年は他団体の選手もいますので現段階で挑戦者は未定です」と語った。
新日プロの決定を受けて全日プロも即座に同リング初のIWGP開催を正式発表したが、この最終結論に、このところIWGPについて沈黙を貫いてきた黒いカリスマが異議を唱えた。この日、世界ツーリングカー選手権に参戦することになった新日プロのオーナー、谷口行規ユークス社長を応援するため会見に臨んだ後、タイトル戦について次のようにブチまけた。
「そもそも、なんで全日本でやるのか。向こうもビジネスライクなんだろうけど、本来なら新日本でやるのが筋。ちょっとナメられてる」。かつての盟友、武藤が4月に王座を戴冠したこともあり、これまではチャンピオンシップについて言及しなかった。しかし、今回ばかりは緊急事態とあって、さすがに黙ってはいられなかった。
蝶野は全日マットでのIWGP戦に嫌悪感を露わにしただけでなく「G1チャンピオンが行く可能性もあると思うが、今回はそれなりの選手が用意できないと。自分がもしかしたら名乗りを上げるかもしれない」と次期挑戦にまで言及。それどころか「ホントに戦争するんだったら、逆に向こうの3冠(ヘビー級)ベルトをこっちに引っ張り込むぐらいのことやらなきゃいけない」と黒い策略もチラつかせた。
ついに政権奪還に意欲を示した黒いカリスマ。菅林社長も「実際に挑戦するかはわからないが、蝶野さんが武藤選手に意思を示したのは新日本にとって大きい」と好感を示した。