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「西田隆維の映画今昔物語」 第13幕 フィッシュストーリー

 《今日のテーマ》「今日は“素原稿”です」

 伊坂幸太郎さんの小説を中村義洋監督が映画化、斉藤和義さんが音楽プロデュースした2009年公開された作品です。
 2012年の彗星が地球衝突する5時間前、日本では衝突の際に発生する津波を警戒し人々は避難し街に人影はありません。そんな中、一軒の中古レコード店だけが営業し店内には店長と客の音楽好きの青年がいます。そこに、数十年前から人類滅亡の危機を察し、借金を重ねながら自らの欲を叶えてきた中年が現れ、こう語るのです。
 「君達は何でこんな所にいるのだ??」
 と皮肉いっぱいに尋ね、店長は「正義の味方が地球を救ってくれる」、青年は「好きな音楽を聞いていたい」と答えます。
 店長はその青年の為にパンクバンド「逆燐」の曲「FISH STORY」を店内に流します。パンクバンド逆鱗は1975年、セックスピストルズがデビューする一年前の日本の売れないバンドという設定でありますが、当時はこの曲がまさか世界を救う可能性があるとは誰も思いません。37年前の売れなかった曲が世界をどうやって救えるのでしょうか??

 歌を聴き、イメージし、どう感じ思うのかは価値観の違いもあるので、自由です。しかしこの「FISH STORY」は歌詞とかメロディーで感じるとかではなく、ある細工が意図的、いや偶然が重り時代を繋ぐ役目を果たします。
 パンクバンド「逆鱗」(FISH STORY)が1975年、パシリにつかわれる気弱な男、パシリに使う男、雑誌「ムー」を愛する男(共に大学生)が、3対3の合コンで一人の不思議な女性に出会い、女性の一言により強い影響をもたされる1982年時代の物語…皆さんの頭の片隅に残っていると思われるノストラダムスの大予言1999年…修学旅行中に自らのミスからシージャックに巻き込まれた女子高校生と、正義の味方になりたかったというコックとの出会いであった2009年…。

 世界を救う物語では人物やチームを主とした一時代の作品が多い中、あえてそこにはピックアップをせずに時代の繋がりにより、「こうやってヒーローが誕生した」というような作品です。
 できれば大好きな大森南朋さんをピックアップしたかったのですが、作品が楽しかった為、作品紹介だけで幕を閉じさせていただきます。

監督
中村義洋

原作
伊坂幸太郎

音楽プロデュース
斉藤和義

キャスト
伊藤淳史 高良健吾
渋川清彦 大川内利充
多部未華子 濱田岳
森山未來 大森南朋

<プロフィール>
 西田隆維【にしだ たかゆき】1977年4月26日生 180センチ 60.5キロ
 陸上超距離選手として駒澤大→エスビー食品→JALグランドサービスで活躍。駒大時代は4年連続「箱根駅伝」に出場、4年時の00年には9区で区間新を樹立。駒大初優勝に大きく貢献する。01年、別府大分毎日マラソンで優勝、同年開催された『エドモントン世界陸上』日本代表に選出される(結果は9位)。
 09年2月、現役を引退、俳優に転向する。10年5月、舞台『夢二』(もじろう役)でデビュー。ランニングチーム『Air Run Tokyo』のコーチも務めている。

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