もう一度説明すると、アイドルヲタ風男性がパソコン(壁紙はアッキーナ)を見つめながら、「あー、こんなアイドルとデートしてみたいなぁ」とため息交じりにつぶやくと、突如としてアッキーナがパソコンの画面から三次元に登場。「呼んだ?なんでも願い事かなえてあげる!」と笑顔で言うや、ヲタ男性は「じゃあ、デートして!」と懇願。だが、アッキーナは「そんな夢を見る前にアデランスのe-check!にアクセス!!」と一刀両断。「願い事かなえてあげる」って言ったのに全然かなえてくれてないんですけど!本当は残酷なアッキーナ!…とまあ、そんなメッセージが隠されたCMなのだ。今回は他のアイドルがより直接的に暴力的にメッセージを送っていることに気付いたので発表したい。
そのアイドルとは相武紗季(23)。CM好感度も常に上位をキープする彼女がいったいどんなメッセージを送っているというのか?すでにお気づきの読者もいよう。それは「花王メンズビオレ」のCMだ。男性用制汗デオドラント製品だ。
どんなCMかというと、「アセくさい男の子って苦手だな」と相武紗季が宣言すると、彼氏役の男子が脇の臭いを気にしてメンズビオレを使用。すると、アセくささが気にならなくなった相武紗季は彼氏の腕にしがみつき、「加藤君!加藤くんくん!」と喜んでデートする、というものだ。もちろん「加藤くんくん!」は「くんくん嗅いでも加藤君の脇は臭わない」という意味だ。
このCMで世の殿方が脇アセを気にしてくれて、メンズビオレを日本国民が愛用。めでたしめでたし…というのが本稿の論旨ではない。好感度の高いアイドルを使って、「まったく男ってヤツは脇の臭いに無頓着なんだから、もうちょっとは気を遣えや!」と言わせている、ということに暴力性を感じるのだ!
いや、決して批判しているわけではない。アイドルがそんなメッセージを送ることで絶大な効果が期待できるのだろう。実際問題、私も「相武紗季に言われちゃあしょうがない」とメンズビオレの大量購入をすでに決意している。
だが、そのCM全体が悪意に包まれて映らないのは、アッキーナ同様、相武紗季の好感度の賜なのであって、そのあたりの彼女の能力を再確認すべきなのだ。