実数発表が始まった2005年から昨年まで、ほとんどの球団で増加している観客動員数。今回はその中でも、特に人数が増えた3球団を以下に見ていこう。
■楽天
2005年 : 977,104人
2018年 :1,726,004人
増加人数: 748,900人
創設初年度のシーズンは、100万人にも満たなかった楽天の観客動員数。ただ、2007年に100万人を突破すると、球団史上初のリーグ優勝・日本一を達成した2013年を機にその人数は一段と増加した。
この間、価格変動制チケットの採用や、観覧車やメリーゴーラウンドを伴った「スマイルグリコパーク」の整備に取り組んだ楽天。これらの施策がリピーターを生んだのか、最下位となった昨年でも球団史上2位の動員数を記録している。
■DeNA
2005年 : 976,004人
2018年 :2,027,922人
増加人数:1,051,918人
前身の横浜時代は、年ごとに増えたり減ったりと動員数が安定していなかったDeNA。新体制へ移行した2012年からは、勝てば半額、負ければ全額を返金する「全額返金!?アツいぜ!チケット」を皮切りに、ユニークな取り組みを次々に打ち出しファンにアプローチした。
すると、これが功を奏し、翌年以降の数字は年々右肩上がりに増加。チームが暗黒期を抜け出したことも重なり、昨年は球団史上初めて200万人を突破した。
■広島
2005年 :1,050,119人
2018年 :2,232,100人
増加人数:1,181,981人
マツダスタジアムが開場した2009年は一時的に数字が増加するも、そこからは低下傾向が続いていた広島。しかし、関東圏の「カープ女子」を新幹線で無料招待したことも話題となった2014年に、一転して数字が大幅に増加する。
翌2015年は黒田博樹、新井貴浩の復帰もあり、動員数が200万人を突破。そこからはチームの3連覇も追い風となり、現在に至るまで前年比増の客入りを記録している。
14年の間に、大幅な集客増を成し遂げたこの3球団。チームの成績はもちろん、営業面の努力もその一要因となっているのだろう。
文 / 柴田雅人