第1試合の習志野(千葉)対市和歌山(和歌山)は、初回の2点ビハインドを5、6、7回の得点でひっくり返した習志野が「4-3」で勝利。28日の星稜(石川)戦で浮上したサイン盗み疑惑の影響に負けず、初のベスト4進出を果たした。
明豊(大分)対龍谷大平安(京都)の第2試合は、延長11回裏のタイムリーで明豊が「1-0」のサヨナラ勝ち。センバツ初の8強入りから、春夏通じて初の4強入りへと歴史を塗り替えた。
筑陽学園(福岡)と東邦(愛知)が激突した第3試合は、1点リードの6回に一挙5得点を挙げた東邦が「7-2」で快勝。優勝した1989年大会以来、30年ぶりとなるステージまで駒を進めた。
第4試合智弁和歌山(和歌山)対明石商(兵庫)の一戦は、同点で迎えた9回裏に値千金のサヨナラ本塁打が飛び出した明石商が「4-3」でサヨナラ勝ち。秋季近畿大会準決勝で勝利した相手を再び下し、ベスト4最後の1枠を掴み取った。
それぞれの激闘を制し、ベスト4まで勝ち進んだ習志野、明豊、東邦、明石商の4校。無論、どこが“最後の1校”となるかはまだ分からないが、どのような結果になっても、快挙となることが確実な情勢となっている。
春初のベスト4である習志野、明豊、明石商の3校は、学校の歴史を現在進行形で更新中。もちろん、これまでの戦いぶりも十分快挙に値するが、優勝となれば、これ以上ない形での快挙となるだろう。
一方、前述の通り、1989年つまり平成元年の大会で優勝を果たしている東邦は、今大会を制すれば“平成最初・平成最後”の優勝校となる。また、仮にこうなれば現在「54」である春の通算勝利数は「56」となり、中京大中京(愛知)がもつ歴代1位の「55」を塗り替えることにもなる。
先月23日に開幕した今大会も、残るは2日の準決勝と3日の決勝のみ。快挙をかけた戦いの先には、どのような結末が待っているのだろうか。
文 / 柴田雅人