1993年から如水館高校(広島/就任当時の校名は三原工業)の野球部を率い、今年の3月末でその任を終える予定となっている迫田穆成監督。この退任に伴い、野球部が大きく揺らいでいることが各メディアによって報じられている。
報道によると、昨年10月に迫田監督の退任が決まって以降、エースを含む2選手が退部し、40人以上を見込んでいた来年度の入部希望者も3人に激減。また、迫田監督の後任となる同校のコーチが、先月下旬から出勤していないとも伝えられている。
如水館では春夏通算で8回、その前に指揮を執った広島商業(1967年〜1975年)では春夏通算6回(1973年夏は優勝)甲子園に出場している迫田監督。しかし、そんな実績を持つ指導者の退任に関して、学校側から詳細な説明はなされなかったという。
退任撤回を求める部員や保護者が、署名活動を行ったともいう今回の一件。これを受けたネット上からは、「迫田監督を慕って入部した選手たちがかわいそう」、「これ下手したら部の存続に関わるんじゃないの?」、「意味が分からん、何が起きてるんだ」といった疑問の声が数多く挙がっている。
現在の年齢は79歳で、今年は80歳の節目を迎える迫田監督。体力面や健康面のことを考えると、第一線を退くこと自体は、特に不思議ではないようにも思える。
しかし、仮にそうならば、学校側はそれをしっかりと部員や保護者に説明し、「今までありがとうございました、本当にお疲れ様でした」と迫田監督を送り出しているはず。それがなされていない以上、外野から「別の意図があるのでは」と勘ぐられても致し方ないところだろう。なお、先に書いた報道によると、迫田監督には続投の意思があったともされている。
意見の対立か、それとも“銭ゲバ”か。その真相が何なのかは推測の域を出ないが、いずれにせよ一番影響を受けているのは部員や入学希望者である。これ以上、彼らに影響が及ばなければいいが…
文 / 柴田雅人