国士舘は第一試合に登場し、明石商業と対戦。相手投手に抑え込まれ、1-7で敗戦した。一方、昨年秋の関東大会王者で16年ぶりの出場となる桐蔭学園は、初出場の啓新高校(福井)と対戦。序盤に啓新が3点を取り、桐蔭学園も2点を返し追いすがるが、チャンスで一本が出ず、初戦敗退となった。
そんな高校球児の挙動を注目していたのが、横浜高校が24日に明豊高校に大敗後、「握手をしなかったのはけしからん」と声を上げた一部の高校野球ファンたちだ。その際、「東京都・神奈川の高野連では握手を禁止している」と擁護するファンがいただけに、真偽に注目していたのだ。
国士舘・桐蔭学園とも、試合後の整列で相手校の選手と握手したことを確認すると、Twitter上では「国士舘も桐蔭学園も握手してますよね、横浜高校ってやっぱり最悪」「東京神奈川が握手しないって言ったやつ息している?wwww」「横浜高校が駄々っ子だったことが証明された」などと、再び横浜高校への攻撃を開始。その様子はまさに「鬼の首を取った」と言わんばかりのものだった。
一方で、冷静な見方をする人からは、「叩かれているから握手しろと言ったのだろう」「ここで握手をしないと何を言われるかわからない」などと、「圧力」を指摘する声が。そして、「やっぱり握手するのが見ていて気持ち良い」「試合後握手して称え合うのが高校野球の良さだよね」「握手している姿って美しいよね」と「握手文化」を称賛する声が上がった。
野球関係者はこう語る。
「横浜高校のときにもお話しましたが、握手をしなければいけないというルールはありません。仮に断ったとしても、それはそれで許さるべきで、批判をするのは筋違いです。
しかし、現在はネット世論を無視できない世の中。少子化の中でどこも生徒確保に躍起ですから、悪評は立てられたくない。甲子園に出る目的も、学校の宣伝ですからね。恐らく、学校側から指導があったのでしょう。
高校野球ファンが勝手に作った美徳や作法を球児に押し付け、それに背くと罪がなくとも人格を否定するまで叩く。そういう人たちに支えられているのですから、仕方がありません。監督には不要な批判から生徒を守る義務があります」
どうやら、高校野球には「試合後握手をしなければならない」「握手を求められて断る行為は許されない」「握手しない高校はSNSで叩かれる」という文化ができたようだ。