大阪の繁華街ミナミのど真ん中にある戎橋近くで、4月1日午前0時頃、「多人数の男女がケンカをしている」と110番があった。大阪府警南署員が駆け付けたところ、催涙スプレーがまかれ、17歳〜37歳の男女13人が病院に搬送される騒ぎとなった。同署は同日午後、男女2人の目に軽症を負わせた疑いで、ガールズバー経営・山田陸泰(たかひろ)容疑者(32=大阪市西成区南津守)を逮捕した。
同署や大阪市消防局によると、現場は大阪市中央区心斎橋筋2丁目の路上で、ミナミの観光名所・戎橋のすぐ北側。騒ぎのきっかけは、ガールズバー従業員による執ような客引き行為にあったとみられる。同窓会で集まっていたという男女7人のグループと、客引きの従業員がトラブルとなり、殴り合いとなった。そこで、同容疑者が催涙スプレーを噴射。スプレーは関係のない通行人にもかかり、目の痛みを訴えた13人が病院に搬送されたが、大ケガがなかった。
同署は20歳の男性を蹴った暴行容疑で、同容疑者を逮捕。同容疑者も胸にケガをしており、いったん釈放されたが、今度は催涙スプレーをまき、20歳の男女2人に軽症を負わせた傷害容疑で再度逮捕した。同容疑者は「従業員が若い男にたたかれたのを見た。相手は10人ぐらいいて、自分も袋叩きにあったので、護身用に携帯していた催涙スプレーをまいた」などと供述しているという。
同署によると、ミナミでは多人数によるトラブルが少なくないという。ガールズバーを巡っては悪質な客引きや、高額請求が後を絶たず、「かなり悪質な行為が常習化している店、従業員がいる。今回も、その一連の中で起こったと思う」と話している。
ミナミのガールズバーに関しては、女子高生従業員の死亡事故を始め、トラブルが絶えない。警察による取り締まりももちろんだが、風俗営業の届け出の必要がない現行法を見直す柔軟性にも迫られているのではなかろうか。
(蔵元英二)