警視庁生活安全特別捜査隊は風俗店としての許可を受けずに女性従業員に接客させたとして、風営法違反(無許可営業)の疑いで、ガールズバー「PIPPI六本木店」(東京都港区六本木)と同「PIPPI新宿店」(新宿区歌舞伎町)を2月24日、一斉摘発。六本木店経営者、伊佐裕次(51=世田谷区弦巻)と新宿店経営者、加藤弘章(30=新宿区大久保)両容疑者ら4人を逮捕した。
逮捕容疑は24日午後10時半頃、都公安委員会の許可を受けずに、店内のボックス席で男性客に女性従業員を同席させ、酒を注ぐなどの接客をさせたとしている。ガールズバーは風俗店ではないため、カウンター越しに酒を提供する程度のサービスしかできない。客の隣に座って接客させるためには、風俗営業店としての許可を取る必要があり、その点で違法となったのだ。
両店にはそれぞれ20〜30人の女性従業員が在籍。捜査関係者によると、同隊が一斉摘発で店に踏み込んだ際、六本木店で働いていた女性は10人で、うち4人がグラビアアイドル。新宿店は13人で、うち5人がAV女優だったという。
料金は六本木店が基本料金オールタイム60分5000円。新宿店は20時のオープンから23時半までが基本料金60分3500円、それ以降が5000円で、ガールズバーとしては、やや高め。
昨年9月からの約半年間で、六本木店が約1500万円、新宿店が約2400万円を売り上げたとみられる。
「AV女優やグラドルと飲める店」とうたってはいるものの、女性従業員は普通に求人サイトなどで募集しており、大方は一般人。ホンモノのAV女優やグラドルは3〜4割程度で、看板に偽りありとまではいわぬが、実態は「AV女優やグラドルと飲めるかもしれない店」だったようだ。ガールズバーとしての業態を守って営業していれば、このようなことにはなっていなかった。行き過ぎた営業方法が摘発へとつながった。
(蔵元英二)