毎週日曜朝放送中の、特撮ヒーロー番組にスーツアクターとしてレギュラー出演している浅井さん。自身も幼少の頃に『仮面ライダーBLACK』に憧れ、偶然にも高校の同級生が地元・名古屋のヒーローショーのアルバイトをしたことから、大学より同バイトを始める。すると、次第に浅井さんの中で心境の変化が…。
「ヒーローショーのアルバイトをしているうちに、“本物”になりたくなったんです。観に来てくれる子供たちからしたら僕が本物のヒーローなんでしょうけど、自分はTVのヒーローを真似ているだけだと思ったので」
その後大学を3年で中退し、1年間働きお金を貯め23歳の時に東京へ上京。JAEの養成所を経て、同事務所に所属する。だが所属と同時にヘルニア、坐骨神経痛、ギックリ腰を併発してしまい半年実家に戻って療養することに。
「この時は本当に絶望感でいっぱいでした。一日中寝たきりで、トイレに行くのも匍匐前進で行って戻って来たりして…。医者にも復帰は諦める様に言われたんですが、逆にそれで火がついて、絶対治してやる! と思いました(笑)」
最終的に手術をせずに回復し、リハビリを続けながら東京に戻りヒーローショーの補助などをしながら、徐々に仕事を再開する。
「ターニングポイントになったお仕事は、初めて出演した舞台『戦国BASARA』のアンサンブルです。色んな役者さんと共演して“生身”でお芝居をしているうちに、僕の中のスーツアクターの“動き”に変化が生まれたんです」それは今も財産となり、浅井さんの中で生きている。
今後の目標は、特撮ヒーローのレッドになることと、ヒーローショーを通して海外に行くこと、そして30歳を迎える節目に富士山に登ることだと話す。
「JAEに所属している人は、お芝居がしたいとかアクションがしたいとか、みんなそれぞれ違うと思うと思うんですけど、僕はただ“ヒーロー”になりたいんです」
プライベートでも都内のヒーローショーを観に行くという、子供たちのヒーローの素顔がそこにはあった。
◆浅井 宏輔(あさい・こうすけ)
1983年12月12日生まれ・愛知県出身 JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)所属
スーツアクター、スタントマン、俳優として、TV・映画・舞台と様々なジャンルで活躍中