FWアザールを中心とした好選手を複数人擁し、FIFAランキングも3位につける強豪ベルギー。FIFAランキング55位の“格下”パナマに対し立ち上がりから攻勢を見せ、前半6分にはMFカラスコが、7分にはFWメルテンスが立て続けに枠内シュートをお見舞いした。
その後も幾度となくゴールに迫ったベルギー。しかし、パナマも初めての大舞台に相当な気合が入っていたのか、体を張った守備でゴールラインを割らせない。前半をスコアレスドローで終えた段階では、パナマが“伏兵”となる予感も漂い始めていた。
ただ、エンドが変わって早々に、“赤い悪魔”はその淡い期待を一瞬にして打ち砕く。後半2分、パナマDFエスコバルのクリアボールを、ペナルティエリア右からメルテンスがダイレクトボレー。美しい弧を描いたシュートはゴールに吸い込まれ、ベルギーが先制点を奪取した。
その後も後半24分にMFデブルイネの正確なクロスをFWルカクが頭で合わせ2点目を、同30分にカウンターから再びルカクが3点目を奪うなど、一気にパナマを突き放したベルギー。GKクルトワを中心とした守備陣もパナマの攻撃を完封し、3‐0で勝利を収めることとなった。
前半の苦戦はどこへやら、終わってみれば順当な結果で初戦の白星をものにしたベルギー。史上9か国目となるW杯優勝へ、まずまずのスタートを切ったといえるだろう。
ちなみに、今大会に臨んでいるFIFAランキング上位5か国の内、白星発進を決めたのは意外にも今回のベルギーのみ。1位ドイツは黒星スタート、2位ブラジル、4位ポルトガル、5位アルゼンチンもそれぞれ引き分けで勝ち点1にとどまっている。
上位陣の出遅れをよそに、しっかりと勝ち点3を確保したベルギー。23日に行われる次戦チュニジア戦も勝利し、早々にグループリーグ突破を決めてしまいたいところだろう。
文 / 柴田雅人