共に4‐2‐3‐1の布陣を選択した両チーム。各ポジションに世界トップクラスの選手を擁するドイツが、立ち上がりから積極的な攻めを見せるが、メキシコも、これに負けじと鋭いカウンターで応戦。どちらのチームにも、得点の気配が十分に漂っていた。
このような流れの中、先に試合を動かしたのはメキシコ。前半35分、自陣内でボールを奪ったCBモレノがFWエルナンデスにパスを送る。MFグアルダートとのワンツーから、ペナルティエリア手前までドリブルで持ち上がったエルナンデスは、左サイドを駆け上がるFWロサノにラストパス。これを受けたロサノが迫り来るドイツMFエジルをかわしてシュートを決め、メキシコが先制点を挙げた。
1点を追う立場となったドイツは、後半15分にMFロイス、34分にFWゴメスを投入するなど攻勢を強め、アディショナルタイムにはGKノイアーも攻撃に参加するなど執念を見せる。しかし、最後の最後までメキシコゴールをこじ開けることは出来ず、試合は1‐0でホイッスルが吹かれることとなった。
戦前の予想を覆し、“ジャイアントキリング”を成し遂げたメキシコ。その戦いぶりは全世界に衝撃を与えたようで、ツイッターの世界トレンドランキングの1位には「México」というワードが浮上している。ちなみに、日本のトレンドランキング1位も「メキシコ」だ。
前回王者ドイツを破り、勢いに乗ったメキシコ。次戦の韓国戦(23日)にも、大きな注目が集まることは間違いない。
文 / 柴田雅人