遺失物に手を付けたのは、同社のグループ会社であるJR西日本交通サービス(以下、交通サービス=本社・兵庫県尼崎市潮江)の男性契約社員(38)。
JR西日本によると、男性社員は昨年9月10日、学研都市線(片町線の 津田駅(大阪府枚方市)で、利用客が拾って届け出た遺失物の現金1000円を着服した。同駅は交通サービスが業務を委託されている。
男性社員は同駅で窓口や改札業務の担当だったが、同僚の駅員から、「勤務中にスマートフォンでゲームしている」「改札業務をしていない」などの申告が多数あったため、2月9日、上司の人事課長が面談を行い、「他に悪いことはしていないか」と問いただしたところ、遺失物の現金1000円の着服を認め、発覚した。
聞き取りに対し、男性社員は「ばれないと思ってやった。1000円の使い途は覚えていない」と話しているという。
交通サービスは同16日付で、男性社員を懲戒解雇。すでに返金しているため、刑事告訴は見送った。JR西日本は「金額に関係なく、お客さまが落とされた物に手を付けたことは許されない」として、最も厳しい処分を指示した。
JR西日本は「今回の事態を厳粛に受け止め、社内及びグループ会社に対する指導、教育を徹底し、再発防止に努めてまいります」としている。
わずか1000円の着服で懲戒解雇は厳しい気もするが、たとえ1000円であろうと、100円であろうと、利用客の落とし物であることに変わりはない。それに手を付けたのでは、駅員としてのモラルに反するだろう。
(蔵元英二)
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