あきれるを突き抜けて、すがすがしささえ感じてしまう。そんな落ち込みぶりだ。共同通信が7、8日の両日実施した全国電話世論調査で、支持率は前回1月調査から1.1ポイント減少の18.1%をマーク。不支持率は70.9%に達した。
首相が郵政民営化をめぐって表明した4分社の経営形態見直しについては、52.1%が「評価しない」。郵政民営化に「反対だった」とした麻生首相の“自爆”答弁が影響したのは間違いない。
ここまで嫌われても、まだ言い訳をするから見苦しい。首相は9日夜、支持率低迷について「真摯(しんし)に受け止める」と述べる一方、「高速道路1000円や定額給付金などが民主党の反対で実行に移されていない段階なので、政策といってもなかなか理解されない」とクールな表情で訴えた。
しかし、そんな首相もけさの朝刊を読んで青ざめているのではないか。前回1月調査では支持率20.4%だった読売新聞の全国電話世論調査(6〜8日)で19.7%と大台を割った。同紙の定例調査で2割を下回ったのは、2001年2月に面接方式で8.6%を記録した森政権以来という。
朝日新聞は1面トップ記事でデカデカと「内閣支持下落14%」とセンセーショナルな大見出し付き。7、8日に行った全国電話世論調査で政権発足以来最低となった前回1月の19%から、14%にまで落ち込んだと報じた。同紙は、調査方法が異なるため単純比較はできないと断りつつも、読売と同様に01年2月に森政権がマークした9%以来の低支持率と説明した。
あり得ない低支持率といわれた森政権に次ぐ惨状。首相に残された道は、即刻解散して民意を問う以外にない。自民党内では「安倍内閣では閣僚が不祥事で足を引っ張ったが、麻生内閣では首相の資質が最大の要因」(中堅議員)との声が高まっている。いまさら、じたばたしたところで、選挙の顔として求心力を回復するのは至難の業となっている。淡い期待などせず、負けて潔しの姿勢をみせてはどうか。
ちなみに共同通信の調査では、景気回復へ向けた首相の経済対策に「期待しない」との回答が77.0%を占めた。“経済の麻生”と思っているのは本人だけのようだ。