海外ニュースサイト『South China Morning Post』は3月20日、中国・雲南省の鎮雄(ちんゆう)県警察が、殺人などの疑いがある100名の指名手配犯の写真をHPで公開。その中に5歳の男の子の写真があり、市民を混乱させたと報じている。
5歳当時の写真が使われた男の現在の年齢は19歳で、ギャンブル絡みの事件を起こしたそうだ。同記事によると、鎮雄県警察は子供の頃の写真を使った経緯について「最近の写真がぼやけていて分かりにくかったため」だと説明。続けて、「顔の特徴は変わっていないはずです。鼻や目、耳、口、眉毛をよく見てください。どんな些細な情報でもお待ちしております」と、市民に情報提供を呼び掛けたという。
しかし、この指名手配犯の写真が中国国内で話題になると、「ふざけている」「古い写真では意味がない」などと、鎮雄県警察に批判が殺到したそうだ。それを受け、鎮雄県警察は中国版Twitter『Weibo』の公式アカウントで「混乱を招いてしまったことを心からお詫びいたします」と謝罪。5歳当時の指名手配犯の写真を削除したと同記事は伝えている。
さらに、このニュースは世界中に拡散され注目を集めることとなった。ネット上では「最新の顔の似顔絵のほうがまだマシだった」「子供が指名手配されているのかと思った」「分かりにくい写真を掲載するなんて指名手配の意味がない」「警察はこれを機に指名手配犯の写真の重要性を学んでほしい」などの意見が寄せられた。
しかし海外には、今回のように指名手配犯の写真が話題になったことが他にもある。
2018年1月には、アメリカ・オハイオ州で、警察が公開した34歳の指名手配犯の男の写真が話題になった。この男の顔や首にはドル記号やキスマークなど、大きく派手なタトゥーがいくつも施されていた。男は女性への暴行の疑いで指名手配されていたが、写真が公開されて1カ月も経たないうちに逮捕された。ネット上では「目立ちすぎた」「すぐに逮捕されると思った」との声があふれていた。
また2018年11月には、中国・四川省の警察が窃盗容疑で公開した19歳の女の写真が「美しすぎる」と話題になった。実際の写真を見るとモデルのように目鼻立ちが整った顔立ちで、ネット上では「純粋そうで中国人好みの顔」「指名手配犯史上、最も美しい」などの声が出た。しかし写真が中国国内のメディアでも多く取り上げられたこともあり、女は写真が公開された12日後に自首。逮捕されている。
指名手配犯の写真は、話題になると逮捕につながりやすくなる。しかし市民に協力を求めるのであれば、ある程度の分かりやすさも重要だろう。