モー娘。に関しては、よく「現メンバーの名前すらわからない」と指摘される。だから、応援する以前に「わからない」のだ。だったら、わからせてやればいい。
そもそもモー娘。1期メンバーだって、誰も知らない素人たちの寄せ集めだったわけで、それを『ASAYAN』で「CD手売り5万枚」といった試練を乗り越えて、デビューにこぎつけた。つまり、グループにドラマ性を与えることによって、視聴者に感情移入させる。これが『ASAYAN』ならびにモー娘。成功の秘訣である。そして、現代でもアイドルをブレイクさせるための有効な手段のひとつだ。なぜなら「ドラマの主人公」に対しては誰でも普遍的に感情移入できるからだ(日テレ『AKB0じ59ふん!』でようやくこのシステムを導入した。これについては後日改めて触れるべきだろう)。
ところが、だ。モー娘。の現メンバーには感情移入のしようがない。だから、応援するきっかけさえないのである。数年前まではまったくもどかしかったが、何を書いても変わらないから、いまやどうでもよくなった。
後出しジャンケンのようで恐縮だが、『ハロモニ@』では、メンバーに試練を与えるべきだった。礎を築いて卒業していったOGたちが乗り越えたものよりもさらに高いハードルを与え、それをクリアできるかどうかを毎週放送すりゃあ良かったのである。
おそらく優秀な番組スタッフはそんなことはとっくにわかっていることだろう。事務所の決断ひとつでどうにでもなったはずなのに…。
だが、もう遅い。時計の針は戻らない。ひとつだけ言えるのは、タレントが悪いわけじゃないってことだ。