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「おぐ羅」(おぐら、おでん屋)

 東京メトロ丸の内線、銀座線・銀座駅から徒歩220歩。JR山手線・有楽町駅から徒歩310歩

 和食・洋食・中華を問わず、しかるべき物を食せば、しかるべき値段のすることは経験則で知っている。して本日は、しかるべきものを食すべき日であるか否か、ここのところを玄関先で瞬時に判断し、顔色ひとつ変えずに立ち去る(あるいは進入する)のが肝要であることもまた知ってはいる。問題は、しかるべきと鯱(しゃち)こばるほどのジャンルではないのにもかかわらず、しかるべき値段がする場合にどう対処するかだ。
 そのジャンルとは、おでん。しかるべき値段の店とは、「おぐ羅」。こうして、うろうろと胡乱(うろん)なことを申し上げるからには、ご賢察のとおり、とてもよい店なのだ。だから困る。
 2度は使えないが奥の手を披瀝(ひれき)しよう。自分の衣裳を総点検して、第一級正装をして訪問する。そうして、おでんに行き着く前のサイドメニューにつまずかない自分を、貫く。しかるべき金はあるが、今宵はおでんを4、5品つまみに来訪したのであって、はんぺん、豆腐、しらたきをいきなり指名したのにも他意はない、美味で高級なサイドメニューは他日、必ず必ず食しに参るから、しかと心得よ、という趣旨を全体で表現するのだ。

 それまでしてなぜ入りたいのか。私の場合は銀のやかんである。黒松白鹿の燗酒が、きらきら輝く、でかくて重い(だろうと察するご亭主専用の)銀製のやかんから注がれる至福。立つ湯気の甘き香り。おでんはもはや、この燗酒をおいしくのむための小道具にすぎない。ともあれ何度も言うが値が張るので、連れを吟味しないとあとで後悔することになる。

予算7000円
東京都中央区銀座6-3-6 本多ビルB1

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