ニューヨークには素晴らしいホテルがたくさんある。例えばマークホテルやマンダリンオリエンタル・ニューヨーク。こんな五つ星ホテルに宿泊した事はないが、横メシと一緒であまりくつろげない、と感じる日本人宿泊客もいる事と思う。
コンクリートジャングルのニューヨークでビジネスや観光で疲れた時にはホッとできるホテルが一番だと思う。それがザ・キタノ・ニューヨークなのだ。1973年創業で、ホテルが林立するミッドタウンを少し下ったバークアベニューの38丁目にある。
人込みもなく、のんびりした雰囲気が漂う地域である。ここを定宿にする日本人ビジネスマンは多い。
何しろ日本人スタッフが常駐し、事務的なアメリカ式のサービスではなく細やかな日本的な心配りが行き届いているのがひしひしと感じられる。キーワードは「やすらぎ」と「安心」。そして「笑顔」。ニューヨークではサービス業の人達の笑顔を見るのは稀なのだが、同ホテルではドアマンからして笑顔を浮かべている。
個人的には「バーラウンジ」のジャズ演奏が気に入っている。最近ニューヨークのジャズクラブはやたら高いが、ここは平日にはチャージがないのが嬉しい。
そして、わざわざ外まで出かけなくてもには本格的な懐石からランチの定食まで日本料理を出す「白梅」がホテル内にある。モダンアメリカンレストラン「ガーデンカフェ」では地元の農家から仕入れた新鮮な素材を使った食事も出来る。
ホリディシーズン真っ只中のニューヨーク。同ホテルでもクリスマスディナー、大晦日のジャズパーティが開催され、元旦、2日には「白梅」でお節料理まで食べられるというのだから年末年始をニューヨークで「和風」に過ごすのも一興というものではないだろうか。(セリー真坂)