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棚橋弘至がMSGを感じるアノ技で『パパわる』対決を制す!飯伏幸太がザックに完敗!

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棚橋弘至、飯伏幸太

新日本プロレス
『ニュージャパンカップ2019』
▽16日 東京・後楽園ホール 観衆 1,738人(札止め)

 『ニュージャパンカップ』(NJC)は、16日の後楽園大会からベスト16による2回戦が幕を開けた。

 優勝者にはアメリカROHとの合同興行『G1 SUPERCARD』(日本時間4月7日、ニューヨーク、マディソン・スクエア・ガーデン=MSG)のメインイベントで、ジェイ・ホワイトのIWGPヘビー級王座への挑戦権が与えられる。

 セミファイナルでは棚橋弘至と田口隆祐によるタグチジャパン同門対決が実現。両者は昨年、棚橋が主演した映画『パパはわるものチャンピオン』で共演。棚橋が演じたヒールレスラー、ゴキブリマスクのパートナーのギンバエマスクを田口は熱演した。ヘビー級とジュニアヘビー級の違いはあるものの、田口は棚橋を常にサポートしている大切な存在だ。負傷欠場したデビッド・フィンレーの代役としてNJCに追加エントリーされた田口だが、1回戦でヘビー級のベテラン天山広吉を撃破、棚橋のことも熟知しているだけに侮れない選手である。

 試合開始から棚橋コールと田口コールが入り乱れる中、田口は得意のヒップアタックで自分の距離を作っていくと、オーマイ&ガーアンクルで棚橋のウィークポイントである足に狙いを定める。それが無理と見るやタイガー・スープレックス・ホールドまで駆使し、試合中にはギンバエマスクのポーズなどで棚橋の心を揺さぶったが、最後は棚橋のドラゴン・スープレックス・ホールドに返すことができず3カウント。準々決勝進出を決めた棚橋は、コーナーでゴキブリマスクのポーズを披露した。最後は健闘した田口とグータッチ。田口にも大きな拍手が送られた。

 棚橋は試合後に田口との“縁”を口にした。「いくつもの偶然が重なって、デビッド・フィンレーがケガをして田口が代わりに出た。代わりって言い方は失礼だね。そして、田口が天山選手を下してきた。すごい確率で棚橋対田口の一戦が今日あったんだと思う。試合中はあまり触れないようにしてたけど、田口がこうやってくるから」と、ギンバエマスクの手をモミモミするジェスチャーをしてみせた。

 「とにかく2回戦突破。決まり手は、ドラゴンスープレックス。マディソン・スクエア・ガーデンの歴史を勉強して、藤波辰爾選手が初めてドラゴンスープレックスを出した場所。それから何十年経って、ドラゴンスープレックスで帰るのも粋だなと。“カムバック・サーモン”ってあるじゃないですか。海に出た鮭が戻ってくる。“カムバック・ドラゴン”!まあ、この場合、鷹木信悟選手じゃないけどね」と冗舌だった。

 試合後の棚橋はMSGに“ゆかり”があるドラゴン・スープレックス・ホールドで、“ジュニア”の田口から3カウントを奪ったことに満足していたようだった。かねてから藤波辰爾のドラゴン殺法の継承を明言している棚橋にとって、MSGからスター街道を歩んだ藤波の存在は意識しないわけがない。「歴史を勉強して」と付け加えたのはリアルタイムで見ていないから、という意味が込められているのだろう。MSGでジェイへのリベンジと平成最後のNJC優勝を誓っている棚橋がまた一歩前進した。

 メインイベントは今シリーズから復帰を果たし、完全復活をアピールしたい飯伏幸太が登場。1回戦で優勝候補の内藤哲也を破って、2回戦に駒を進めた飯伏だが、対戦相手は昨年のNJCで敗れているザック・セイバーJr.。両者は目まぐるしい攻防を繰り広げるが、昨年と同じく飯伏がラッシュをかけようとすると、蛇のように絡みつかれ動きを止められてしまう。最後はカミゴェをかわされ、身動きが取れない関節技、オリエンテーリング・ウィズ・ナパーム・デスにたまらずギブアップ。飯伏は2回戦で脱落し、ザックが2年連続NJC優勝へ前進。まさかの展開にファンはしばらく呆然としていた。

 「クソッ!いやぁ…終わりましたね。終わりました。ひとつ目の目標だった…一番近い目標だった『ニュージャパンカップ』。優勝したらIWGPヘビー級。いちばん最短な自分にとっていちばん大切なトーナメント。自分の手で…意思で…タップしてしまいました。自分の中ではあそこから粘って、自分の身体が耐えられるとは思わなかったですね。ホント数少ないギブアップ負けですけど、『気持ちでどうにかなる』とかじゃなかったと思います。分かんないです。それを理由にしてるだけかもしれないし…」

 試合後の飯伏は倒れ込みながらコメントしたが、さすがに2回戦負け、しかも2年連続の完敗劇にショックを隠せない様子。しかし、ここで止まっている暇はない。

 「でも、まだまだこんなところじゃ終わらないですよ。もう切り替えないと。ただこれは絶対、自分の中で持っておくんで、ザックとはまたいつか絶対、リベンジしたいです。やりますよ。やってやります!」

 立ち上がった飯伏の目はギラつきを取り戻していた。飯伏が気づいた「覚悟」を見せる闘いは始まったばかり。6.9大阪城ホール大会や、『G1クライマックス29』と大きな大会やシリーズが控えている。期待していきたい。

 この日の結果を受けて、棚橋とザックによる昨年のNJC決勝カードが準々決勝で実現。2人は3.21アクトシティ浜松大会で対戦する。

取材・文・写真 / どら増田

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