7月13日にテレビ東京で放送された『ポケモン映画公開直前 キミにきめた!を観て 友情&本気スイッチ』は普段の『ポケットモンスター サン&ムーン』の放送を休んで制作された宣伝番組だったのだが、その内容が「あまりに酷い」と批判を受けているのだ。
『映画公開直前』は同局が制作しているバラエティ番組『ポケモンの家あつまる?』のスタッフが多数参加しており出演者は、あばれる君のほか平野ノラ、カミナリ、トレンディエンジェルなど旬なお笑い芸人が多く出演。映画のヒット祈願のため過酷な山登りにチャレンジしたのだが、同番組のレギュラーであるあばれる君はともかくゲストで登場した平野ノラは特別ポケモンに詳しかったり思い入れがあるというわけではなく「なぜ平野ノラだったのか」と視聴者から疑問の声が絶えなかったという。
また一応、ポケモン世代のカミナリの二人(共に1988年生まれ)は「過去のポケモン映画19作を24時間以内に全部観てクイズに答える」という企画にチャレンジ。
ところが企画のメインだったカミナリのまなぶは「俺は2作までしか見てないので全然わからない」と宣伝番組にあるまじき発言をしたほか、映画鑑賞中に爆睡した挙句、眠気覚ましに激マズジュースを飲むなど、映画の宣伝とは思えない突飛な演出が多数差し込まれた。
この放送をも見た視聴者はネットで「純粋な宣伝番組かと思ったらただの芸人の悪ふざけだった」「通常放送を潰してまで流す内容か?」「話題性だけじゃなくもっとポケモンに愛のある人を呼んで欲しい」と批判が多かった。
子供番組に詳しいライターはこう語る。
「確かに今年のポケモン番宣はおかしいです。通常は前年に作られた映画をテレビで初放映するのに今年はなく、『ポケモンの家あつまる?』のスピンオフしか宣伝番組は作られなかった。今年のポケモン映画は20年前に放送されたテレビ版第1話をリブートしたもので、今の子供のファンよりかつてハマっていた大人達を取り込みたかったのかもしれませんが、あまりに安直な考えだったのでは」とコメントしている。
『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』は、7月15日の公開後、子供連れのほか大人になった元ポケモン世代の動員などがあり、オープニング2日間で43万6000人の動員と5億1600万円の興収を記録(興行通信社調べ)し、堂々ランキング1位となった。今後、夏休みナンバーワンの興行収入をあげるのではないかと予想される。
それだけに観客とスタッフの価値観のズレが批判に晒されているようだ。
(ミッチェル横山)
※写真・あばれる君