記者の知るかぎり、はじめてはっきりとした姿を見せたLOVE PSYCHEDELICO。彼らはボーカルの女性KUMIとギターのNAOKIという二人組ユニットで、英語力の高いKUMIは帰国子女。青山学院大学の音楽サークルから結成されFMラジオ番組への応募曲が話題となり、2000年にデビュー。アルバムが大ヒットして以後、CMや映画、ドラマへ楽曲を多く提供している。70年代風のオシャレなサウンドに乗ったKUMIのクールな歌声が、まさにラブでサイケな世界を生み出し、音楽ファンに絶大な人気を誇っている。
しかし、2005年にベストアルバムを出して以降は、拠点を海外に移し、2008年に全米デビューして、国内では大きな活動をしなかった彼ら。しかも過去の人気曲「Last Smile」のように一般のファンが喜ぶ、「カラオケでも歌いやすい歌」を激減させたために、ここ数年日本の音楽シーンを賑わす事は無かった。その間にLOVE PSYCHEDELICOの「お株」をかっさらったアーティストがいる。越智志帆という若い女性の「一人ユニット」、Superflyだ。
70年代サイケ調音楽とバツグンの歌唱力、そしてアメリカンロック。“ラブサイケ”そっくりなSuperflyが歌う曲は、洋楽にかたより気味で歌うのには気が引ける最近のLOVE PSYCHEDELICOの曲とは違い、若い女の子がカラオケで歌うのにピッタリ。しかもテレビで見るのに“ギリギリ可愛い”部類に入る容姿のSuperflyは、70年代風のオシャレがティーン雑誌に注目されたり、爽やかで若者らしいMCも好評。2007年デビュー後、彼女は瞬く間に女子高生からOLまで幅広い人気になった。昨年出したアルバムは大ヒットし、今や音楽番組やテレビCMにひっぱりだこだ。
実力もあり、ビジュアル的にも使い勝手の良いSuperflyはまさにレコード会社にとって美味しいアーティスト。同じ様な音楽性を持ちながらLOVE PSYCHEDELICOとSuperflyは「露出度」という点で違っていて、それがここ数年のCDセールスにも大きく影響した。今まで沈黙を守っていたLOVE PSYCHEDELICOが、突然大手サイトに登場し、露出を意識した新作プロモーションを行うという事は、このCDで「国内再始動」の意欲が高いと考えられる。
MISIA、中島みゆき、ユーミンなど、ビックになるにつれて露出度を上げていく女性アーティストは多いが、LOVE PSYCHEDELICOのKUMIは、今だにライブ映像もあまり出回らず、実像が分からなかった。うしろでギターを弾く男性のNAOKIはmihimaru GTやガルネク、シーナ&ザ・ロケッツの鮎川誠などと同じく、“サングラスの人”で理解できるが、やはりKUMIのルックスは皆気になるところ。今回写真で始めて見たKUMIはイメージ通りの落ち着いた感じの女性で、思ったより美人だった。いままで曲のイメージを大事にしているから露出しなかったのかも知れないが、これからどんどん出てほしい。(コアラみどり)
写真 (米国発売のCDと前作。やっぱりお顔写真ナシ。)