今季監督に正式就任し実質1年目のシーズンとなる平石監督は、則本昂大、岸孝之の両エースが故障で離脱するアクシデントに見舞われながらも奮闘。チームは6月に一時首位に浮上し、現在もクライマックスシリーズ(CS)圏内の3位に位置していることから、「よく頑張っている」とその手腕を評価するファンは少なくない。
しかし18日、その平石監督について複数のメディアが「今季限りで退任へ」と報道。翌19日にはチームの石井一久GMが「現場と選手に対して失礼な話」と抗議したが、この報道を機に各メディアは来季の監督人事について「平石監督続投」、「内部からの昇格」、「外部からの招聘」といった予想を続々と打ち出している。
来季に向け新監督が招へいされるのか、それとも平石監督が続投するのかは現時点で不明。この一件を受け、ネット上では「平石を辞めさせる理由はないだろ」、「意味不明な采配多かったし退任は賛成」、「元から繋ぎの契約だったんじゃないの?」、「平石辞めさせる前に石井を辞めさせた方がいい」と賛否両論となっている。
一方、中には「外部招へいなら古田に監督やってほしい」、「CS逃したら平石退任、古田就任だろうな」、「どうせ誰がやっても同じだから、古田で話題集めるのは理にかなってる」などと、解説者の古田敦也氏を次期監督の最有力候補とする声も。また、平石監督の退任報道について「古田と裏で話がついてるのでは」と推測する声も散見された。
今回浮上している古田氏と石井GMは、ヤクルト時代にバッテリーを組んだ間柄。現役時代の人脈を活かし、石井GMが古田氏をリストアップするのは不思議な話ではないように思われる。ちなみに、石井GMは昨オフ伊藤智仁(一軍投手チーフコーチ)、野村克則(二軍バッテリー兼守備作戦コーチ)、三木肇(二軍監督)といったヤクルト出身者たちをチームに招いてもいる。
また、古田氏がこれまで7年半出演を続けていた『スポーツクロス』(BS朝日)も、今月27日をもって番組が終了。このことを「現場復帰に向けた身辺整理では?」とみる向きもある。
1990年から2007年までヤクルト一筋でプレーした古田氏は、在籍期間中にリーグ優勝を5回、日本一を4回経験。また、2006年から2007年の2年間は選手兼任監督としてチームの指揮を執ってもいるが、退任から12年以上が経った現在でも「もう一度監督をやってほしい」というファンの声は根強い。
古田氏にはヤクルト復帰の可能性も浮上していたが、その古巣の監督は高津臣吾二軍監督の内部昇格が決定的と伝えられている。こうした周辺情報を総合すると、古田氏の電撃就任もあながちない話ではないのかもしれない。
文 / 柴田雅人