滝沢シリーズは、歌舞伎とミュージカルの融合、そして、あくなき挑戦が最大の魅力。2007年には、影絵に初挑戦。鳥や犬、リスやピストル、急須などを物語調にしていき、ふたりの男性が指先だけで奏でる絵に、歌を乗せる人気シリーズだ。
今では『滝沢歌舞伎』の定番だが、驚くべきらくは、これが本番前日のもっともバタついているとき、ジャニー喜多川社長の「影絵をやりたい」のひとことではじまったことだ。キャストは戯言だと受け流したが、ジャニーさんは深夜に先生を呼び出し、そこから30分にわたって訓練。翌日、披露すると、あまたの演目のなかでいちばんの評価を得た。1か月一生懸命稽古を重ねてきた演目より、前日の影絵が上回ったことに、滝沢は悔しかったという。
翌08年には、中国の変面に初挑戦。こちらもやはり、ジャニーさんから突然言われたもので、本場中国の達人から伝授された。1時間ほど練習して、「YOU、(ステージに)出ちゃいなよ」と即本番。振りつけも何もないまま、完全にオリジナルでやって見せた。
12年には、人形振りにチャレンジ。歌舞伎役者が操り人形の動きをまねて演じる手法には、女形で挑んだ。肩幅を狭く、無表情で演じることを心がけたという。
肉体パフォーマンスの名物となっているのは、太鼓。滝沢は逆さ吊りになったまま和太鼓を叩き、それを囲むジャニーズJr.らほかのキャストも、ともに上半身裸。筋肉ムキムキのジャニーズ陣による一糸乱れぬパフォーマンスは、圧巻のひとことに尽きる。
ジャニーズ史上初のミュージカル海外公演。残念ながらチケットは完売していないが、滝沢の新たな伝説が幕開けることは間違いない。