リングに登場したアングルは「闘いたい相手は多いが、倒したい相手はGMとしての俺を苦しめたバロン・コービンだけだ。あいつからタップアウトを奪うこと以上に幸せなことはない」とコービンを名指し。続けてチャド・ゲーブルと対戦したアングルはアンクル・ロックで勝利すると、試合後にはコービンがステージに登場した。「お前からGMの仕事を奪ってとても気分が良かったよ。引退試合では圧倒して恥をかかせてやる」とコービンは不敵に笑った。
カート・アングルは米代表としてアトランタ五輪のレスリングフリースタイルで金メダルを獲得。超エリートレスラーとして1998年にWWEと契約、2000年代初期にかけてスティーブ・オースチン、ザ・ロックらとともにWWEの黄金時代を築いた。
数々のタイトルを獲得して、2006年にTNAへ電撃移籍。2007年にはTNAとの提携ルートから新日本プロレスへの初参戦が実現。しかし同年6月にアントニオ猪木氏が主宰するIGFにも参戦し、当時“剥奪”されたはずのIWGPヘビー級選手権試合を行い“王者”のブロック・レスナーから勝利を収め、新日本“非公認”の王者に。ベルト(3代目)をTNAに持ち帰って、ファンの前でも披露している。
2008年にはこの3代目ベルトを賭けて新日本に来日し、永田裕志を相手に防衛に成功するも、“公式”の王者である中邑真輔との“統一戦”に敗れ、IWGPヘビー級王者騒動は終結した。2017年、WWEに復帰し殿堂入りを果たすと、現場復帰。ロウのGMとして活躍していたが、今回リングを降りる決断をした。
『レッスルマニア』でセス・ロリンズ戦を控えるユニバーサル王者ブロック・レスナーは、ロウのオープニングに姿を現した。
ともに入場したマネージャーのポール・ヘイマンが「レスナーはAJスタイルズやダニエル・ブライアン、フィン・ベイラーにも勝っている。そしてセス・ロリンズは今夜ザ・シールド因縁の相手ドリュー・マッキンタイアと対戦するみたいだな」と王者レスナーを称賛してロリンズに言及すると、マッキンタイアがステージに登場した。
マッキンタイアは「レッスルマニアの新しい対戦相手を探しておけ。今夜、俺がロリンズを倒すからレッスルマニアには間に合わないぞ」とレスナーに忠告すると、今度は突然背後からロリンズがマッキンタイアを襲撃。持っていたパイプ椅子で滅多打ちにすると、ロリンズは続けてレスナーにも襲いかかろうとしたが、レスナーは余裕の表情で場外に回避。両者はにらみあったが、レスナーはベルトを掲げてロリンズを挑発しながらそのままその場を後にした。
さらにロリンズはザ・シールドの敵討ちとしてマッキンタイアとメイン戦で激突。実力者同士らしく熱戦を展開した。しかし試合途中にロリンズが必勝パターンに持ち込むと、突如ステージにレスナーが登場。これに気を取られたロリンズはマッキンタイアのクレイモアを食らってしまいまさかの3カウント。レッスルマニアを前にロリンズとレスナーはさらにその因縁を深めた。
白血病からの克服を完全アピールするためにも、ロリンズにとってレスナーは超えなければいけない相手。『レッスルマニア35』は日本時間4月8日に開催される。
文 / どら増田
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