デップは8度目、ドナースマルク監督も2度目の来日とあり、リラックスした様子で登場。2人とも日本好きをアピールしながら会見ははじまった。
−− 今回の映画は「ツーリスト」ですが、旅行にいつも持って行くものなどありますか?
ドナースマルク 男の子なのに、いつも人形を持ち歩いていた。いくつも持ち歩いて叱られたけど、一つだけは持ち歩くことを許してもらったよ。
デップ 金貨だね。緊急にお金が必要になった時に備えて持ち歩いている。
−− この作品はどんな作品でしたか?
デップ ずっと監督とアンジーのファンだったので、一緒に仕事ができてとても嬉しい。僕には数少ない、「普通の人」を演じるチャンスだったので、楽しんだよ。一見普通の人が持つ、奇妙さをうまく出せたと思う。
−− 「普通の人」を演じたご感想を。
デップ 監督とは役についてずいぶんと長く話し合ったよ。普通を通り越した「超普通」は結局異常ではないのかとか、普通さについて二人で追求した。
−− デップとの仕事はどうでしたか?
ドナースマルク ジョニーは常にアドリブを入れてくるんだ。それをカットしないでそのまま使ったら、20才未満お断りの映画になっただろうね。
ジョニーはエキセントリックな役で知られるが、普通の中に潜む微妙な狂気も演じられる。ジョニーの演義は芸術だったよ。
−− アンジェリーナ・ジョリーとの初共演でしたが、彼女の魅力や意外な一面を教えてください。
デップ アンジーはいろんな側面を持っていて、何でも演じられる女優だ。それだけでなく、素晴らしい母親でもある。パパラッチに追い回されるような環境の中でも、立派に子供を育てている。
−− この映画の主人公は傷心旅行でベネチアに来ましたが、傷心旅行で日本に来るとしたらどこに行きたいですか? またそこで出会いたい女性は?
デップ 日本の文化を深く知りたいので京都に行きたい。できればタイムトラベルして17世紀の京都へ。女性? やはり日本の心を持った、17世紀の日本女性がいいな。
−− ベネチアに家を買われたそうですが、どんなところが魅力ですか? また日本のどこに魅力を?
デップ ベネチアは素晴らしい場所だが、家は買ってないよ(笑)。日本の魅力? とにかく、日本に来るたびに魅力的な経験ができるね。
−− 今回は濃厚なラブシーンもありますが、ご家族にはどう説明されましたか?
デップ 家族にはこの映画のことは内緒だ(笑)。
−− どんな作品にインスパイアされましたか?
ドナースマルク この作品は観客に対するラブレターなんだ。楽しんでもらおうと全力を投入した。もちろん色んな作品にインスパイアされてはいるけど、特にどの作品に対するオマージュであるとかはない。そうそう、続編があれば日本で撮るよ。
−− 来日した時、空港でファンにお菓子を配っていましたが、お気に入りの日本のお菓子は。
デップ チョコが好きだね。僕はチョコ中毒なんだ。日本にはおいしいチョコが一杯あって、とても選べないよ。
ドナースマルク 中毒なのはチョコだけじゃなくておもちゃもだろう? キディランドに行くと、追い出されるまでずっと動かないんだ。
ここでゲストの真矢みきが登場。
「ロマンス、ミステリ、コメディと展開してロマンスで終わる映画。ヨーロッパの多文化の感じがとてもよかった。ジョニーが普通の役を演じるのがとても意外だった」
と感想を述べると、ドナースマルク監督が
「続編には是非出演して欲しい」
とリップサービス。会見は和やかに終了した。
(「新宿のフォレストガンプ」杉田透 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou/