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「歴史楽屋噺」パート3・明治維新、北海道だけ共和国で独立!?

 前回の歴史楽屋噺パート2では「勝海舟と西郷隆盛の江戸城無血開城」を取り上げた。普通だったら明治維新規模の革命的な政権交代がなされた場合、フランス革命の例を見るまでもなく、旧勢力(徳川幕府)は一族郎党皆殺しが相場だが、政権を乗っ取られた徳川一族はどうなったか。殺されていないのである。

 徳川慶喜最後の子分・勝海舟は、江戸城無血開城の最初の条件として、「徳川一族に手を出すな。蝦夷地(現在の北海道)に一族を移住させ、そこを 『蝦夷地共和国』として独立させる」という、旧幕府側なりの「ユートピア構想」を提示したといわれている。

 西郷どん(西郷隆盛)も「じゃあ、そっちはそっちで勝手にやってくれよ」と渋々その条件を飲んだとされ、実際に蝦夷地共和国は、総裁・榎本武揚(勝海舟の子 分)、副総裁・松平太郎で、短期間だが国家運営がなされたとされる。

 しかし当時の国際社会に正式な国として認められなかったのと、維新前後の内戦に巻き込まれ、有名な五稜郭の戦いを最後に「蝦夷地共和国」構想は消滅。日本は北海道を含めた領土で「大日本帝国」として統一してやっていくことになったのである。

 その後も徳川一族の生き残りは、これまた勝海舟の肝煎りで、華族として明治の貴族に吸収されて今に至る。

 勝海舟は現在の高級官僚にあたるが、それでも武士は武士。最後の最後まで仕えた徳川将軍の為に身を粉にし、「忠」とは何かを世に示した。

 そんな勝が亡くなるのは、明治の終わり頃である。
(みんみん須藤)

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