矢合観音の由来は一説によると、関東から来た巡礼者が世話になったお礼に漢音様を置いて行った、戦国時代の城主の持仏だった、橋本家の井戸から観音様が出てきた、などの諸説があるが、おそらく、江戸時代に矢合円興寺(現在の国分寺)で大法会が催され、橋本家先祖が労を厭わず奔走したので、そのお礼として住職から観音様を附与されたものであろう。
最近では観音様よりも「万病に効く水」の方が有名となり、多くの人々が水を貰いに訪れるという。橋本家の庭の井戸から湧き出る水には霊験があるといわれ、さまざまな病やケガなどの「万病に効く水」として、いつの頃からか近在に伝わった。また矢合の地は植木・苗木の産地であったため、その販路の広がりとともに、この水の効能も各地にも知れ渡った。
まず参拝者は、門前町の土産物屋で販売されている容器やペットボトルに井戸水を汲む。この井戸は昔懐かしい手押しポンプである。そして、観音様に供え、祈祷を受ける。その水は持ち帰り、患部に塗ったり、飲むことで病やケガが治るという。
矢合観音では、毎月18日は縁日(命日)ということで、老若男女問わず多くの人々の参詣で賑わっている。
(皆月斜 山口敏太郎事務所)
参照 山口敏太郎公式ブログ「妖怪王」
http://blog.goo.ne.jp/youkaiou