鏡割りで意気上がる会場で、鳩山氏の「スポーツは最高の外交。東京で世界最高のスポーツの祭典であるオリンピック・パラリンピックを再び開催することは、日本から平和の尊さを世界に訴えるためにも大きな意義がある。私も招致の実現に力を尽くしたい。ともに頑張りましょう」などとする意欲的なメッセージが読み上げられた。
都議会議員からは思わず「よしっ!」の声が飛んだ。
無理もない。麻生前首相はコペンハーゲンに乗り込む算段だったが、政権交代で鳩山氏にチェンジ。石原知事は首相就任を待たず電話で“緊急登板”を要請し、返事を待っているところだった。関係者は「期待できるメッセージ」と話す。
IOC総会の最終プレゼンテーションでは、プレゼンテーターの影響力も大きいとされる。12年ロンドン五輪はサッカーのデービッド・ベッカム選手が登壇し逆転勝利。今回はライバル都市の米シカゴがオバマ大統領を送り出せず、リオデジャネイロ(ブラジル)、マドリード(スペイン)と4都市の接戦といわれている。
石原氏は出陣式前の記者会見で、鳩山氏登板について「ぜひぜひぜひ」とあらためて熱烈要望した。石原家と鳩山家は付き合いはないものの実は田園調布のご近所同士という縁もある。果たして“宇宙人首相”の現地出馬なるか。(高)