日本相撲協会では八百長問題のため、基本的には引退届けを受理しない方向だが、舛名大は八百長に関与していないことが明らかであるため、2月25日付で承認された。
舛名大は愛知県出身で、名古屋大工学部化学・生物工学科卒業の秀才。全国国公立大学対抗相撲大会で活躍し、千賀ノ浦親方から勧誘を受けた。大学院受験に失敗したこともあり、角界入りを決意。名大在学中の06年11月場所で初土俵。09年5月場所では最高位の三段目89枚目まで昇進したものの、頚髄損傷の大ケガを負い、同年9月場所より休場。10年5月場所からは番付外に転落。手術を受けて、再起を目指したが現役続行を断念した。
元力士が新聞記者に転身するのも異例だが、大手企業に就職するのも異例中の異例。元力士の第2の人生については、不安がつきまとうが、このケースは今後引退する力士に勇気を与えたに違いない。
舛名大は「相撲に関わる仕事がしたい」と相撲担当記者を志望している。
(ジャーナリスト/落合一郎)