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噂の深層 局が抱える『獅子身中の虫』

 愛知県は名古屋市の東海テレビ放送が、11日の午後8時、情報番組「ぴーかんテレビ」の打ち切りを会見にて発表した。同番組は、4日岩手県産のお米の抽選で当選者を発表する際、当選者の住所氏名を表示する欄に「怪しいお米 セシウムさん」「汚染されたお米 セシウムさん」等と書かれたテロップを放送。同局は不適切な内容の放送を行ったとして同日中に謝罪するも、あまりに不謹慎だと言うことで視聴者から苦情や意見のメール、電話が相次ぎ、またスポンサー企業も相次いで撤退となった。これらの事が積み重なり、「過去の放送事故の事例を鑑みても、番組の続行は困難である」と判断し『打ち切り』の決断が成されたという。なお、今後は各スポンサーと番組終了に向け最終調整に入る向きだという。

 この「セシウムさんテロップ」騒動だが、実はテレビ局の裏方、ないしは下請け会社が意図的に行った物ではないか、という説が業界では囁かれているという。東海テレビ放送はフジテレビ系列に繋がっているのだが、数年前より本社であるフジテレビ内部や下請けの間で、放送内容の制作に関して派閥が出来、制作方針を巡って衝突することがままあったという。
 曰く、不況やネットなどの各種メディアの発達により、テレビがコンテンツとしての魅力を失いつつあったため、今までの制作方針を見直そうという話が出てきたのだという。そこで出てきたのが2つの派閥で、一つは完全に外部に委託することで、制作コストを抑えるというもの。もう一つがフジ本体の影響力や制作主導権を取り返したいと考えるものだった。

 しかし、不況の只中で大きな予算の下りにくい当時の状況で、先行投資が必要になり早く回復するとは言えない後者の意見は、『予算削減』の風潮の中、次第に前者に取って代わられていくことになる。そうして出来たのが、下請け業者に少ない予算で丸投げし、シワ寄せが業者に行く仕組みであったり、コンテンツを安く買って放映する仕組みだったという。

 この態勢では経営側は助かるかも知れないが、制作側や下請け業者は無理を強いられることになる。今回の騒動も、そんな制作側の鬱屈が生じさせた「うっかりミス」だったのではないか、とされているのだ。
 そもそも、「ぴーかんテレビ」は情報番組で、ドラマやバラエティ番組などではない。ましてや情報番組ならば、「視聴者に関する情報」の入ったテロップには細心の注意をはらうものだ。それなのに生じた「うっかりミス」、しかも視聴者やネットではフジテレビに対する批判が湧いてきたこのタイミングで…ということで、業界では疑惑と不安の感情が渦巻いている、と言う。

 あのテロップは、制作側のせめてもの抗議行動だったのか。自業自得とはいえ、『獅子身中の虫』が動き出すのも、そう遠くないことなのかも知れない。

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