「距離が短かった。前半からモタモタしていたから」と影山助手は振り返った。桜花賞と同じ距離のクイーンCを勝っていたものの、ゆったり流れる東京のそれと忙しい桜のペースではまるで勝手が違った。
しかし、直線は猛然と追い上げた。「かなりいい脚を使ってくれた。この馬の能力の一端は見せられたと思う」と言うように、先につながる足跡は残せた。
その後はもちろんオークス一本に絞って調整されてきた。1週前追い切りは栗東DWコースで6F79秒8の好タイムが出た。黒鹿毛の馬体はしなやかで、たくましさを増している。
「肩ムチを入れただけで反応も良かった。あの時計でも最後まで余裕があったし、あとはもうサラッとやれば十分」と理想的な仕上がりで挑める。
オークスは2400m。「この距離なら追走に苦労することはない」と言い訳のできない条件だ。「重賞を勝ったコースだし、最高の舞台ですからね。楽しみにしています」
大波乱で終わった桜花賞。だが、樫は実力馬が力通りの走りを見せてくれそうだ。